Nuccini!「Matters Of Love And Death」
イタリアのポストロックバンド、Giardini Di Miroのギタリストであるcorrado nuccini
(コラード・ヌッチーニ)が、Cavemen SpeakのSiazと結成したユニットNuccini!
(ヌッチーニ !)のファーストアルバム「Matters Of Love And Death」が届く(発売は
5月か6月)。既に、2ndRecからリリースされたZuccini DriveのEP「Easy Tiger」
に収録の” Good Music & Indian Food (Nuccini! Remix)”の秀逸なリミックスによって、
彼らの存在、ならびに音の感触を存じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれない
(なお、アナログオンリーのこの楽曲は、4月リリースのhueのコンピレーション
に収録される)。
ポストロックバンドのギタリストがヒップホップのMCと組んだ、という報から安直
に連想される音以上のものを、彼らは作り上げている。前述のリミックスにおいては、
コラードはビートを減退させピアノやメロディカをはじめウワモノの音色を強調
させることで、Populous(Morr Music)が作り上げた原曲をさらに穏やかに
たゆたうような世界へと踏み込ませていたことが出色の完成度を誇っていた。
エレクトロニカに寄ったビートアレンジはご愛敬とも言えるが(つまり好みが別れる
だろうが)、掻き鳴らされ/爪弾かれるギター、幽玄を導くピアノ、荘厳に響く
ストリングス、高らかに鳴り渡るホーン、その一音一音に彼のインストゥルメンタリスト
としての才を感じる。それが遺憾なく発揮されている。MCはSiazだけでなく、
フロリダのBleubird、そして同じくCavemen SpeakのNomadが参加。ここでも
Nomadの圧倒的なまでの存在感に思わず息を飲んでしまう。corrado nucciniが
自らが生み出した楽曲にNomadの声を必要とした理由がよくわかる。
キャッチフレーズを付けるのが大好きなネーミング魔王のSiazによると、Nuccini!
とは”Crazy PostHop”となるらしい(他にはCavemen~を”Hiphop Folk”、Nomad
を”folky-rap-primitive guitarsound”とかなんとか)。ポストロックとヒップホップ
を足してみた、ということなのだろうが、ジャンルの枠組を越境したひとつの姿勢
として、このアルバムに参加した人間が共有しているものは”ベッドルーム・
アーティスト”としての精神ではないだろうか。この側面から改めて見れば、彼らが
集まったことに何の違和感もないように思えるのは、俺だけなのだろうか。
様々な意味で”ボーダーレス”を感じさせてくれるアルバムだ。
Corradoのブログ→http://www.corradonuccini.com/ 伊語なので内容はわからず
Nuccini!のmyspace→http://myspace.com/nuccini
This entry was posted on 2006年 2月 15日 at 21:07 and is filed under music news. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.
2月 16th, 2006 at 20:55
yurika says:わー、Giardini Di Miroは、かーなり好きなんです。私としては、めずらしくほぼ全部そろってます。
楽しみです!
2月 21st, 2006 at 01:44
sin says:コラードによると、そのGiardini Di Miroのアルバムも制作中で、あと数週間で完成するようですよー。