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FEATURE


Scott Matthew INTERVIEW

●菅野よう子さんが手がけた「攻殻機動隊」のOSTにボーカリストとして参加することになった経緯を教えてください。

NYCで彼女のオーディションを受ける機会があったんだ。『カウボーイ・ビバップ』で歌うように依頼されたことはとても名誉なことだった。その曲はスタジオで本当にうまくいったんだ。だからそれから幸運にも『攻殻機動隊』用の曲を何曲か僕のために書いてくれたんだ。彼女は素晴らしい才能を持っている人だよ。

●音楽や、あるいはその他のことで影響を受けたものはありますか?

ぼくの曲のほとんどすべては自叙伝的なんだ。だからぼくの人生に現れたり、消えて行った人たちにただ影響されているんだ。関係、愛、欲望。それらが長年のテーマだよ。

●あなたはなぜニューヨークに来ることを選んだのでしょうか? 他の場所へ拠点を移そうと考えたことはありましたか?

ぼくはたくさんの理由があって本当にオーストラリアを離れる必要があったんだ。ぼくはそこで打ちのめされた気分を少し感じて、自己発見と成長の必要性がすごくあった。ただ強制的なだけの物事は変化して、NYCのような極端な環境こそが何かを与えてくれると思った。同時期に友達もNYCに移住したから、ぼくはそれに従って、お金は持ってなかったけど夢だけを抱いてNYCに来たんだ。同じ考えを持った人たちのまわりで、よりチャンスが転がっていると感じられる場所で音楽を作る道を探しつづけることのできる欲望を持つことが大きな魅力だった。簡単だったとは言えないけど、いまはすべてがうまくいっているよ。ぼくはまだNYCに恋をしている。でもそれはツアーとかでたまに離れるから持続しているんだろうね。理想的なのはベルリンとNYCに自分の家を持っていたいね。その二カ所を行ったり来たりしたいと思うよ。

●「ショートバス」に提供した楽曲以降、今作でも多用されているのはウクレレの音色です。あなたはなぜこの楽器を自分のボーカルに合わせようと思ったのですか?

「ショートバス」用にもともとは「Upside Down」をギターで書いたんだ。けど、もっと陽気なかんじにしたかったから、「ショートバス」に参加していた役者にウクレレを教えてもらったんだ。それからこの楽器が作曲するのにとても素晴らしい楽器だとわかったのさ。演奏するのにもっともシンプルな楽器だし、だからぼくの限られた音楽練習に役立つんだよ。

●パンクバンドを結成していたあなたが、「バラード」にこだわる理由を教えてください。

ぼくはいつでもバラードへの情熱を持っていた。子供のときでさえね。でもティーンエイジャーのときは欲求不満や怒りさえ感じることが普通なんだと思っていたんだ。だからその当時は違った物事をぼくは言っていた。そしてしばらくしてからぼくはバラードの形式でとても個人的な歌を歌うことに心地よさを感じるようになった。それはとても自分を浮き彫りにするから勇気のいることだけど。いまはメランコリーとともにいれることにとても幸せを感じているよ。このサウンドに大きな美を見つけている。

●現在ツアーで世界中を一緒に回っているバンドメンバーについて教えてください。この編成で以前からライブを行っていたんでしょうか?

ぼくはバンドで友達たちの継続的なサポートを得ることができて恵まれていると思う。バンドの中核はピアノのMarisol Limon Martinez。ぼくらは9年以上も友達で、8年ぐらいたまに一緒に音楽を作っている。ベースはEugen Lemcio。ぼくらはいまでは3年ぐらい友達でコラボレーションも行っている。Clara Kennedyはぼくのチェリストで、ここNYCの友達さ。彼女には「ショートバス」のオープニング・パーティーで出会った。彼女はそのときぼくのために演奏してくれたんだ。彼女はツア−はしないんだけど、ここでライヴをしたりレコーディングするときは必ず参加してくれる。ぼくは彼らみんなに対して計り知れない愛を持っている。ぼくらは一緒に音楽を作る以上に、どちらかというと友達としてつるんでいるんだ。一緒にツア−をする別の2人のチェリストがヨーロッパにいて、Sam Taylorはロンドン、Perre Carrascossaがベルリンにいる。二人ともいまでは家族の一員さ。ぼくは自分が大好きで気の置けない人たちとだけ一緒に音楽を作れるんだ。

●アートワークはとても印象的です。切断された片腕。指にくくりつけられた糸。涙を流しながらそれを加えている小鳥など、想像力を刺激してくれます。それについてあなたはどう考えますか?そこにはあなた自身の意図はあるのでしょうか?

ぼくはNYCのアーティストで、ぼくの前の恋人であるCameron Daileyにアルバムのカバーアートワーク依頼したんだ。彼にはいくつかの曲がぼくの人生のその時期について書かれているということが分かったんだ。それはぼくら自身を表現している。ぼくはいくつかの理由でこの絵にとても感動した。うん、これは完全にぼくの意図だよ。書いたのはキャメロンの才能と能力だけどね。

●セカンドアルバムをレコーディング中とのことですが、それはどういった作品になりそうですか? 

ぼくらはまだニューアルバムを作り始めたばかりで、準備段階の曲を聴く限りでは、もうちょっと華麗なかんじになると思う。ぼくらはもう少し多くのストリングスのアレンジとバッキングヴォーカルを使っている。でも1stのときと同じソング・ライティング法で、とてもミニマルなパーカッションが入るだろうね。そのアルバムでは別の人たちといくつかの曲を共同で書いているから、もっと変化に富んでおもしろいと思うよ。やっぱりバラードは「アップビート」な曲よりもずっと多くを占めるだろう。とても興奮しているよ。

●あなたは「カウボーイ・ビバップ」のライヴで以前日本に来たことがあるそうですね。日本についてどう思いますか?

大好きだよ。東京はとても来たかった街だよ。不運にも限られた時間しかなかったけど、いつか戻って行って、もっといろいろなことを発見したいね。ああ、食べ物とか、人々の素晴らしい気質とか、歴史、すべての感情とか東京の雰囲気がとても魅力的だった。ぜひまた行きたいよ。

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