Penguin Cafe 2年振りの新作は南極のペンギン達に捧げる作品
メランコリックなメロディーに透明感のあるフォークトロニカ、そしてサウンドトラックを想わせる壮大なイメージ
擬人化したペンギンの世界を妄想したアーサー・ジェフスの世界観とは

創造性を示す特別な場所が存在する 根本的には美しさや永遠性を意味するものではあるが、終わりの無い空間や空虚さというのは何かを生み出す際の大いなる道筋となる – アーサー・ジェフス

雰囲気のあるアンビエント・ピアノ曲”Winter Sun”と”Midnight Sun”に挟まれて、アルバムはメランコリックでありながらアップビートなリードトラック”At the Top of the Hill、They Stood…”、壮大なサウンドトラックのようなイメージの”Chapter”、透明感のあるフォークトロニカ”Pythagorus on the Line Again”など、彼らの楽曲を象徴するコンテンポラリーなクラシックサウンドを組み合わせて氷河のミニマリズムを足取り軽く横断。それはハーモニクスの原理に基づいた1993年のペンギン・カフェ・オーケストラによる作品『Union Cafe』の場所に戻ってきた事を意味するのです。メロディーが異世界の広がりを呼び起こします。ミニマリズム、クラウトロック、そこにレーベルメイトであるルボミール・メルニクによるピアノなどが加わり全体に微妙に変化するリズムの繰り返しがあります。アーサーは影響を受けた自身の旅行経験を反映した楽曲を形作ることで、円を描くような動きのあるアルバムを作り上げました。

絶滅の危機に瀕している南極への意識を高めるためにグリーンピースから4種のペンギンをイメージした4つの楽曲の制作依頼が来たとき『ハンドフルズ・オブ・ナイト』の物語がスタートしました。その後、ハックニーにあるEartHで募金会が開催され、ペンギン・カフェは満員の会場で4曲を発表しました。熱を帯びたコンテンポラリー・フォーク” Chinstrap”、悲しげでミニマリズム的な楽曲”Adelie”、リズミカルでストイックな” The Life of an Emperor”、そして懐かしさのあるストリング曲”Gentoo Origin”。

ジェフズ曰く「この楽曲は南極のペンギンについて2018年秋にグリーンピースとのプロジェクトのために具体的に制作したことから始まったんだ。それぞれ独自の特性と性質を持った4つの固有の南極ペンギンが住んでいる。そこから私はペンギンを擬人化した世界を想像したんだ、それは私達が作り上げた物語と冒険の世界を持ったペンギン達なんだ。」

「2005年に私はエドワードと同じ機材を使って、1911年の”スコット最後の南極旅行”を再現する冒険に参加しないかと誘われたんだ。私は探検家ではないけど、曾祖母が曾祖父と結婚する前にスコットと結婚していたという家族的な繋がりがあったのでとても興味があったよ。この段階では南極大陸は環境保護のため犬を連れて行けないので、その代わりに私達はグリーンランドの氷床で3ヶ月過ごすことにしたんだ。標高10,000フィートの中、最初は犬ぞり、それから人力でそりを引き、サスツルギ(雪の表面が風で削れられてできた模様)だらけの氷原や氷河をやっとの思いで1000km弱横断した。家に戻って人生について考える時間がたくさんあった。そして音楽の修士号を取得して作曲に専念することを決心したよ。最も遠く静かな場所に居るときでも、音楽が自分の内的世界と想像力の大きな部分を占めていることに気がついたからさ。何日もかけて頭の中で楽曲をやり直したり新しい曲を書いたりしたんだ。そしてそれを試して一日の終わりに書き留めておくんだ。」

 

Tracklist
1. Winter Sun
2. Chinstrap
3. Chapter
4. Adelie
5. At the Top of the Hill, They Stood…
6. Pythagoras on the Line Again
7. The Life of an Emperor
8. Gentoo Origin
9. Midnight Sun