「ミャンマー三部作」を経て、祖国に戻って以来はじめて作られたタマス・ウェルズ待望の最新作!
“本当に悲しい歌こそポップに歌う”。
デビュー作から10年、「天使の歌声」が達した深遠。

2010年の傑作『Thirty People Away』から約3年半。タマス・ウェルズの5枚目のアルバムがついに到着!6年間を過ごしたミャンマーからオーストラリアに戻ってからはじめて作られたアルバムということで、より多様な楽器を用い、バンド・メンバーとのアンサンブルを重視した上質で洗練された前作の路線の完成形を追い求めるかと思いきや、意外にもとてもパーソナルなソロ作品となりました。

タマス・ウェルズ・サウンドの代名詞だったアコースティック・ギターとピアノによるフォーキー・アンサンブルを封印し、本作ではエレクトリック・ギターとキーボードを中心としたプロダクションに、さらにドラムマシーンや口笛といった意外性のある飛び道具を加えたタマス・ウェルズ流インディー・ポップとも言うべき新たなる新鮮なサウンドを志向した曲がいくつも輝きを放っています。

しかし、サウンドの変化と反比例するかのように、その歌はより内省と自己沈潜の方向に進んでいます。恩寵と慈悲そのものと言うべき天衣無縫の歌声によって歌われる深遠の念は、彼が直接経験した数々の悲劇によって血に塗れた「ミャンマー三部作」すら遠くへと追いやる強度と、ふとした瞬間に消え去りそうな脆弱さ。「本当に悲しい歌こそ明るく歌う必要がある」というポップ・ソングの真髄にして、サッド・ソングの極意をタマス・ウェルズなりに本質的に表明した奥深い作品だと言えるでしょう。デビュー・アルバムからちょうど10年。「天使の歌声」はついにここまで来ました。

 

※ウェブ購入特典:2011年12月におこなわれたVacantでの東京公演のライヴ音源収録CD−Rつき!

 

01. A Riddle
02. Never Going to Read Your Mind
03. I Don’t Know Why She Burned up All Those Greylead Drawings
04. Benedict Island (Part One)
05. A Snake Bite at the Quarry
06. Bandages on the Lawn
07. Benedict Island (Part Two)
08. The Treason at Henderson’s Pier
09. A Servant of the Crown
10. An Appendix
11. I Left That Ring on Draper Street