Julia Holter、Nite Jewel、Blood Orangeほか参加、Kenny Gilmore (Ariel Pink’s Haunted Graffiti) プロデュース! USインディーを愛し愛されるLAの歌い手、Nedelle Torrisiによるソロ新章アルバム。

 

 Chris Cohenとのバンド”The Curtains”や”Cryptacize”の活動で知られ、ソロとしては更に古く2003年からリリースがある。ほかの作品へのゲスト参加やライブの競演も多くて、Of Montreal、Sufjan Stevens、Xiu Xiuなんかと交流があるという、ロック、シンセポップ、R&Bと、音楽がうつろう様子を長いあいだ肌で感じながら、現在にいたるまで多数の表と裏舞台を飾った、USインディーのなくてはならない音楽家だろう。今作はそのキャリアのなか、2007年より久しぶりのソロアルバムであり、また初めて自身のフルネームをつかった特別な作品である。
 
 ”Cryptacize”ではサイケデリックな愛嬌と映画音楽のようにうつくしいロックをやっていたNedelleだったが、「もっと多くの人たちに親しまれる音楽をやりたい」という想いから、2011年よりソロの音楽づくりがはじまった。プロデュースはじめ演奏の大部分は、Nedelleが信頼を寄せる長年のコラボレーターKenny Gilmoreが担当し、そのほかゲストにJulia HolterやRamona Gonzalez (Nite Jewel)、Dev Hynes (Blood Orange) などなどなんていう、目が覚めるような面々も参加している。US音楽きってのユニークな場所LAを舞台に、彼らがしっかりと繋がっていた状況を考えると、よっぽどNedelleの人柄に魅力があるんだろうなと考えてしまう。
 
 そのひとつにNedelleの恋愛相談コラムがある。悩める男女の相談にのるだけでなく、ときおりYouTubeへビデオを載せたりもしていておもしろいし (IslandsのNick DiamondsやYachtのメンバーなどゲストを招きながら、嫉妬やセクスティングの話をしたり…)、なにより心の底からそれが好きなんだろうと伝わってくる愛にあふれている。もともとは自身のサイトで行っていたものを、現在はウェヴ上のFlood Magazineへ移って継続中。コラムのタイトルは今作とおなじ『Advice From Paradise』。音楽とともに自身の大切な活動だそう。
 
 そうして生まれた曲は、チルチルしたシンセポップの香りに、大好きだというSadeゆずりのソウルとR&Bのエレガントさ、当時からすでに絶好調だった友人たちの演奏が、Nedelleのボーカルにやさしく寄り添った甘いものばかり。彼女のキャラクターと豊かな音楽人生がもっとも形になったアルバムである。
 
 もともと今作はセルフタイトルのデジタル作品という形で2013年に発表された。そののちにアルバム名を『Advice From Paradise』に変更し、Drag City流通のEthereal Sequence Recordsからヴァイナル盤がリリースされ、2016年にはイギリスのTin Angel RecordsからCD盤がリリース。そしてこの日本盤がInpartmaintからリリースされる。オリジナルLPの12曲+ピアノEPとして発表した8曲+隠しボーナス1曲を収録したデラックス仕様!

 

 

Track listing:
01. Psychic Returns
02. Double Horizon
03. Don’t Play Dumb
04. Don’t Play Dumb Afterthought
05. I Love Thousands Every Summer
06. Can’t Wait
07. Fool Boy
08. Emotional Money
09. Cathartica
10. Born To Love You
11. The Show Must Go On
12. The Perfect Timing*
13.The Perfect Timing (Alternate Version)*
14. I Love Thousands Every Summer (Alternate Version)*
15. Fool Boy (Alternate Version)*
16. Double Horizon (Alternate Version)*
17. Cathartica (Alternate Version)*
18. Can’t Wait (Alternate Version)*
19. Psychic Returns (Alternate Version)*
20. Don’t Play Dumb (Alternate Version)*
21. The Universal Face*
*Bonus track