Andres Marino & Lucia Boffo
“Diente de Leon”
アンドレス・マリーノ&ルシア・ボッフォ
『ディエンテ・デ・レオン』
■¥2,300+税
■RCIP-0258
■2017年6月18日リリース
■国内盤CD
静謐さをたたえた幽玄の響きと、鮮やかに躍動する旋律。急速な発展をとげるアルゼンチン〜南米音楽シーンから現れた、新しい感性で奏でられるジャズ/室内楽/モダン・フォルクローレの男女デュオのデビュー・アルバム。早くも2017年のアルゼンチン作品年間ベスト候補と評される、高い音楽性と現代性を備えた作品です。
もしこのアルバムがアルゼンチンではなく、アメリカやヨーロッパで作られたものだとしたら、ECMやグレッチェン・パーラト、ベッカ・スティーヴンスらと共に語られただろう…。非凡な作曲/編曲センスを持つピアニスト/コンポーザー/アレンジャーのアンドレス・マリーノと、プリミティヴな歌心と前衛的な感性を併せ持つ歌手ルシア・ボッフォによる若きデュオのデビュー・アルバムは、急速な発展を見せるアルゼンチン音楽シーンの中でも特筆すべき作品。
ピアノとヴォーカルの抜群のコンビネーションによる、静謐かつ鮮烈なデュオ・スタイルを基本フォーマットとし、ジャズをベースに弦楽五重奏やエレクトロニクスを取り入れた、幅広い音楽性と極めて現代的なアレンジが素晴らしい。プリミティブな歌心がフォルクローレの血を感じさせるルシア・ボッフォは、美しく印象的な旋律を自在に操り、聴くものを捉えて離しません。
「ジャズ・ザ・ニュー・チャプター」や「インディー・クラシック」といった北米のムーヴメントと通じ合う音楽性と、アンドレ・メマーリ、タチアナ・パーハ&ヴァルダン・オヴセピアン/アンドレス・ベウサエルトの系譜にある、従来の南米音楽に留まらない革新性を併せ持った、驚くべきアルバムの誕生です。
<収録曲>
01. Ciclico / 循環
02. Diente de Leon / ダンデライオン
03. Centinela / 見張り
04. Coral / 合唱
05. Ella Alli / 彼女はそこに
06. Desde el Principio del Mundo / 世界のはじまりより
07. Fugaz / はかなさ
08. Bichos / 蟲
09. La Muerte Fabulosa de los Numeros / 数字の架空の死
アルバムパーソネル:
Lucia Boffo:Voice & Compositions
Andres Marino:Piano, Chorus & Compositions
参加ミュージシャン:
Sebastian de Urquiza: Contrabass on 1,6
Violeta Garcia: Cello on 1,6
Irene Cadario: Violines on 1,6
Matias Scheines: Violin on 1,6
Gabriel Goweznisndky: Violin on 1,6
2016年アルゼンチン録音
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Andres Marino & Lucia Boffo
アンドレス・マリーノ&ルシア・ボッフォ
アンドレス・マリーノ(1986年生まれ)はチリに隣接するメンドーサ出身のピアニスト。11歳でジャズ・ピアニストのガブリエル・コレアに師事し、その後ブエノスアイレスのマヌエル・デ・ファリャ音楽大学でエルネスト・ホドスやパウラ・ショクロンに学ぶ。アヴァンギャルドな音楽性のジャズグループなどで活動する一方、エレクトロニクス中心のソロプロジェクトでも活動。
ルシア・ボッフォ(1990年生まれ)はアルゼンチン最南端の南極圏であるウシュアイア出身の歌手。ブエノスアイレス近郊のアベジャネーダ・ポピュラー音楽学校出身で現在は同校で教師としても活動。バルバラ・トガンデールらに歌唱を学び、ジャズの言語や即興をトランペット奏者のフアン・クルス・ウルキサに学ぶ。ジャズをメインに活動を続ける一方、ハイエイタス・カイヨーテのカバーグループ、アタリⅡにも歌手として参加している。
デュオ結成は2014年。2015年3月に録音されデータのみで5曲入りEP『Cíclico』を発表。そこから3曲(④⑦⑨)と新規録音1曲(①)を含む4曲と、新曲5曲が追加し、本作『ディエンテ・デ・レオン』の完成となった。ソングライティングの進化だけでなく、前述のヴォーカルの多重録音やエレクトロニクス、弦楽五重奏という要素が加わり、それによって音楽的な広がりと共に現代性を大きく獲得したといえるだろう。