ピアノトリオが紡ぐ彩り豊かな夢物語

このアルバムの主人公=木村秀子はピアニスト。日本国内はもちろんのこと、カナダや西アフリカのセネガル、ヨーロッパはデンマークで演奏をして各地の音楽家たちと積極的に交流している。ベースは共演歴の長い土村和史、パーカッションは井谷享志というメンバー。
 木村はこのアルバムを「夢」をキーワードにストーリーを仕立てた。アルバムの始まりに相応しい明るい雰囲気に溢れた1。テーマが土村によるアルコ(ベースの弓弾き)で綴られ7拍子がとても自然に流れていく2。井谷のドラムから始まる、ブラジル北東部ヘシーフェの伝統音楽マラカトゥのリズムが特徴的な3。イントロがまるでトイピアノで弾いているようなリズミックで可愛らしいメロディが印象的で土村のアルコがまるでヴォーカルのように聴こえてくる4。ピアノが奏でる旋律が独特でタンゴのエモーションを感じる5。ジャズオリエンテッドなピアノトリオが水を得た魚のようにスイングしている6。コロナ禍で演奏活動が制限され、行き場のない気持ちや漠然とし不安を提示しているかのような7。響きの豊かな空間で溶け合う幻想的な演奏の8でこのアルバムは静かに幕を閉じる。

ー ケペル木村(中南米音楽/MPB)解説より引用

 
<トラックリスト>
1.The Beginning of a Dream
2. Ça va ?
3. Journey to Brazil
4. Un Jour de Pluie 〜雨の日〜
5. Rue des Lombards
6. Apple Trees
7. 2020
8. A Continuation of the Dream