日常に宿る美しさや豊かな情緒を、静かな言葉とメロディーに乗せる「口数の少ない音楽家」。現在の韓国における最高水準の楽曲と作品性を備えたシンガー・ソングライター、ルシッド・フォール6枚目のオリジナル・アルバム。ボサノヴァの歌唱法を思わせる内省的な歌声、曲ごとに表情と音色を変える繊細なギターをメインに、端正なサウンドのピアノ・トリオをバックにしたアコースティックな美しさが溢れる。音楽家として確かな進歩を感じさせる、2年振り6枚目のオリジナル・フルアルバムが国内盤でリリース。

2011年に5THアルバム『美しき日々』リリース後音楽活動を休止し、短編小説集「無国籍料理」を出版した後は平穏な日々を過ごしてきたというルシッド・フォール。2013年の初夏、再び音楽に向かった彼は、自分の生活や日常の自然〜花や鳥、蝶、雨や風の音などを、そっと手のひらで包み込み私たちに差し出すように、素晴らしい曲を届けてくれました。「声とギター」のアコースティックな音色とそのヴァリエーションに細こだわりぬき、シンプルながら詩情あふれる楽曲と、静かな演奏でそれをささえるピアノ・トリオ。
田舎道、森の中、誰もいない海辺、休日の午後の1人の部屋のような静かな場所で、やわらかく耳にそよぐルシッド・フォールの「風のような歌」を聴いて下さい。

【解説:渡辺亨】 【歌詞対訳:金東昱(Jinon)】

 

 

【Tracklist】
1. 黒い犬
2. 河
3. 蝶
4. 陽射しは暖かく
5. ソウルの鳥
6. 僕の年老いたキンセンカへ
7. 萌黄
8. 家族
9. 風のような歌を
10. 花は何も言わない