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Liricoニュー・リリース:Chantal Acda『The Sparkle In Our Flaws』〜欠点のなかにあるきらめき、かなしみとともに先にすすむこと〜

Liricoはこのたびスリーピングドッグとして活動していたアントワープ在住のオランダ人シンガーソングライター、シャンタル・アクダの2ndアルバムをリリースいたします。

ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン/スターズ・オブ・ザ・リッドのアダム・ウィルツィーとのスリーピングドッグ・プロジェクトをおわらせ、ニルス・フラーム、ピーター・ブロデリックらの協力のもとすばらしいソロ・デビュー作『Let Your Hands Be My Guide』を2013年にリリース。このたび2年ぶりのソロ・アルバムとなります。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/14030/

前作に引きつづき、ピーター・ブロデリックと、ニューヨークのマルチ・インストゥルメンタリスト、シャザード・イズメイリーによる全面的なサポートにより、ピーターの「ザ・スパークル」スタジオで作り上げられた作品。他にはヘザー・ウッズ・ブロデリックやヴァルゲイル・シグルズソンなどがゲスト参加しています。

「わたしたちの欠点のなかにあるきらめき」と冠されたこの作品によって、シャンタルはじぶん自身を救いたかったといいます。じぶんの闇と向かい合い、闇とともに生きることを肯定していくというプロセスは、奇しくもGlitterhouse Records、そしてLiricoでもレーベルメイトとなったスコット・マシューの名曲「In the End」とも重なります。シャンタルの静かな歌を聴いていると、とても穏やかな期分になれますが、この作品に満ちている慈愛のようなものは、何も言わずシャンタルを見守るピーター・ブロデリックのパーソナリティーによるもののような気がします。ピーター、ヘザーとリリースしてきて、Lirico的には2015年のピーター・ブロデリック三部作の最終章。サッドソングとともに。

ボーナストラックとして、レーベルの好意により、Glitterhouse Recordsのレーベルサンプラーがダウンロードできるようにしました。スコット・マシューやダコタ・スイートなどレーベルのサッドソング・ラインからぼくが選曲しましたが、なかなかすばらしいものになっている気がしますので、購入いただいた方はぜひそちらも!

Heather Woods Broderickニュー・アルバム

4月にリリースされたピーター・ブロデリックのアルバムに引き続き、姉のヘザー・ウッズ・ブロデリックのニュー・アルバムがついに届けられました。Preservationからの1st『From the Ground』はお気に入りの1枚だったので、新作ができた際はLiricoでなにかできればと思っていたら、なんと前作から6年も経っていました。

昨年の4月、彼女の友人でもあるラウエルソンが来日したときに「完成したばかりのヘザーのアルバムがとてもいいよ」と聞いて、ピーターづてで本人とメールしあってからもすでに1年余り。そのときはレーベルが決まっていませんでしたが、結局、Western Vinylからのリリースとなりました。

前作同様、ピーターが全面参加して作られていますが、作風には変化がみられます。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/13588/

ここ3年くらいはシャロン・ヴァン・エッテンのサポートとして世界中をツアーしまわっていて、いちおうはポートランドを拠点にしているとは言っても長年、「ホーム」がない生活をつづけていることがこの作品に影響を与えています。すれちがいばかりの人生、失った愛、こうあるべきだった自分…実直なことばで綴られる彼女の切ない物語。

前作のフォーキーさは薄れ、シンセやエレクトリック・ギター中心のプロダクションとなった本作はより深みを獲得したと言っていいでしょう。近年、信頼性のあるミュージシャンとして裏方にまわっていましたが、ソロ・アーティストとしての飛躍を期待したくなる作品です。

いつかピーターといっしょに日本に来てもらいたいものですね。

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