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Liricoニュー・リリース:Richard J. Birkin『Vigils』〜世界の終りにのどかに鳴るサッドソング〜
Liricoのニュー・リリースはイギリスの作曲家でありシンガー・ソングライターでもあるリチャード・J・バーキンのデビュー・アルバムです。元々、エンフェメトリー(emphemetry)名義でシンガー・ソングライター寄りの作品『A Lullaby Hum For Tired Streets』をリリースしたことがあるアーティストで、本人名義では映画音楽やアートプロジェクトのためのサウンドトラックを手がけてきました。
そして11/15にリリースされる『Vigils』はピアノとストリングスを中心としたみずみずしいポスト・クラシカル作品となっています。
*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/14838/
キリスト教の「徹夜祭の祈り」というタイトルが冠されたこの作品は、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と、過去・現在・未来を歌ったニール・ヤングの「After The Gold Rush」の歌詞の内容を合わせたような「世界のおわり」のイメージをコンセプトにした作品とのこと。
ヨハン・ヨハンソンやダスティン・オハロランなどのライヴで活躍する実力派弦楽団イスクラ・ストリング・カルテットとデルヴェンティオ・カルテットによる弦楽四重奏に据えており、まさにダスティン・オハロランがアルバム『Lumiere』で提示していた色鮮やかなメランコリーを思い起こさせます。
ありとあらゆるサッドソングを集めてきたLiricoがこの作品をリリースするのはなぜかというと、リチャード・J・バーキンの音楽にピーター・ブロデリックの影響を強く感じたから。ピーターがポスト・クラシカルとシンガー・ソングライターの領域で活動し、時にクロスしながら枠にとらわれることなくじぶんの音楽を作るように、彼もまた同じ道をたどるような予感を感じました。もちろんエンフェメトリー名義の作品がお気に入りだったこともありますが。
こちらはアルバムのスターティングトラック「Atomhög」をライヴアレンジで演奏した映像。流麗なストリングスをヴォーカルで代用していますが、上に貼り付けたオリジナルに比べるとシンガー・ソングライター的。
そして本作唯一のヴォーカル・トラックである「Moonbathing」のすばらしさ。実際にアルバムを通して聴いていただいてはじめて伝わる類の感動なのですが、これがほんとうに美しいのです。
いまのところは弊社から同時リリースされるゴールドムンドの新作『Sometimes』にほぼ食われそうな状況ですが、個人的にはゴールドムンドと比肩する内容だと信じています。ぜひ!
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