Archive for the ‘hue’ Category
soso 6年ぶりのニュー・アルバム『Not for Nothing』
sosoが帰ってきました。まずはその帰還を心から喜びたいとおもいます。
2007年の3rdアルバム『Tinfoil on the Window』から約6年が経ちました。前作を作り上げたsosoはある種の燃え尽き症候群に陥ったそうです。「世界の悲しみを歌う酒宴の歌」とぼくは前作のキャッチコピーに記しましたが、残酷すぎる現実と向き合い、己のなかの苦しみを振り絞って作り上げた傑作の代償と思えば、ある意味では当然のことでしょう。
でも、なんとか彼は戻ってきた。The Third Eye Foundationとしてこの「戦場」に戻ってきたMatt Elliottの姿といまのsosoがかぶる気がするのはたぶんぼくだけかもしれないけど、なんだかとても痛ましく感じてしまうのは、この『Not for Nothing』がとても深い内容だから。今回、プロデュースをMakiがすべて担当しており、sosoは初めて「語る」ことだけに集中してアルバムを作りました。Makiと仕事をすることでsosoは戻って来れたと言えるかもしれません。
家族や歴史や経験など彼の日常に絡まりついた糸をほどくような彼の詞作のスタイルは変わりませんが、本作はより「神」について歌われているように思います。リリックを深く分析するほどじぶんのキャパシティにまだ余裕がないですが、soso自身はこれまででもっとも深いリリックが書けたとのこと。あらかじめゴールを決めないで作ったこの作品は「作った」というより「できた」というかんじでしょうか。とても混沌としている印象ですが、長年完成しなかったふたりの共作はこのタイミングだからこそ実現できたと言えるかもしれません。ビートにsosoが関与していないゆえかもわかりませんが、いままででもっとも聞きやすいとも言えるかも。
「Sad drinking music」とかつてsosoは自らの音楽を表現しましたが、言うなれば本作は“しらふ”というかんじ。いずれにせよ、ここまで無様で美しいのはsoso以外には考えられません。
今回、カナダのEndemikからLPが、フランスのKutu FolkからCDがリリースされました。
CDの方はまもなく入荷予定です。
01. The wait
02. Things started out so pretty
03. Pretty as a picture
04. The rain barrel
05. If I ever knew you, I don’t know you now
06. Choke
07. The extermination of a raccoon, first part (Revelation
08. The extermination of a raccoon, second part (Epiphany)
09. The blushing bride
10. Not for nothing
11. A map of all the constellations I can see from my kitchen window
Nomadニュー・アルバム『No Magic』インタヴュー
昨年12月、ノマドの3年ぶりとなる新作『No Magic』がMarathon of Dopeよりフリー・ダウンロードというかたちでリリースされました。
前作『Cats and Babies』でシンガー・ソングライターとして開眼した彼がまたヒップホップ・ビートへと戻ってきた作品。果てのないイマジネーションとフェアリー・ヴォイスを持ったスペシャル・ワン。決しておとなになりたくない青年がこの作品で語るのは、若さと初期衝動でしか生まれない「魔法」を失ったときにこそ生まれ出す世界でした。
よりたくさんのひとに聴いてもらいたいからこそ、フリー・ダウンロードでのリリースを決めた彼の願いが叶うことを、彼とともにこの5年間を歩んできたぼくも願っています。まだ未聴のかたはぜひ聴いてみてください。下記のリンクからフリー・ダウンロードできます(要メアド)。
Nomad “No Magic” | Marathon of Dope
以下は『No Magic』に関するインタヴューです。彼らしいナイーヴさが伺える内容になっています。まわりがどんどん音楽活動をやめていくなか、「子どもができたことで、じぶんの音楽に対する情熱がなくならなかったという事実がうれしかった」と語るノマド。かつて彼は「Shadowanimals」のなかでこう歌っていました。
「We keep going every night and day. we never quit」と。
Interview with Ruben Kindermans
- まずはじめに、3rdアルバム『No Magic』のリリースおめでとうございます。前作『Cats and Babies』から3年かかりましたが、製作はどれだけ大変でしたか?
ぼくにとって、新しいアルバムの正しいサウンドを見つけることはいつも大変なことなんだ。山ほどの曲を作りはじめてみたけど、いろんな理由で完成しなかった。でも、ニュー・アルバムのリリースまでもうこれ以上長いあいだ待ちたくなかった。それにふたりの子どもたちが一日中寝てるときに家で音楽をつくるのは簡単なことじゃないんだよね。
- 『Cats and Babies』はよりシンガー・ソングライター寄りの作品でしたが、『No Magic』では『Lemon Tea』のサウンドに戻ってますね。『Lemon Tea』と『Cats and Babies』の中間・・・2ndのより洗練されたソングライティングを1stの手法に落とし込んだ、というのが第一印象でした。この変化について教えてください。
『Lemon Tea』と『Cats and Babies』をミックスしたアルバムを作ることは意図したことだったよ。『Cats and Babies』にはいまもとても満足してるんだけど、ヒップホップの影響のあるサウンドじゃなくて、独自性は少なかったと思ってる。それとライヴをやったとき、ビートが恋しいと思ったりもして、だからビートをじぶんの音楽に取り戻すことにしたんだ。
- この作品も以前の作品のようにじぶんの部屋で作ったんですか?
うん、いまもまだぜんぶ自分の家でレコーディングしてる。そのほうがプレッシャーが少ないから家でのレコーディングのほうがすきだよ。音楽をつくるときはムダに時間を使って実験してみたいんだ。
- リリックはどこで書きますか?あなたは確かいつもはメロディーを先に書くみたいですが、どのようにリリックを書いていますか?
いつもそんなにたくさん書き留めないんだ。いつも意味のないことばでメロディーを歌いはじめる。メロディーを50回くらい何度も何度も歌ったとき、正しいことばがおのずと現れるんだよね。
- あなたは「shadowanimals」で「ノマドを見てみなよ・・・やつは魔法をつかう」と歌っていました。でもこのアルバムのタイトルは『No Magic』ですね。これはとても示唆的でなにかを象徴しているように思えました。ノマドは魔法を失ってしまったんでしょうか?このアルバム・タイトルを選んだ理由を教えてください。
これは若いミュージシャンのままでいるための魔法についての話。ぼくらは音楽を作りはじめて、その音楽はほんとうに特別なものだった。あんまりあれこれ考えずにただ音楽を作って、それなりの成功もあった。
でも、年をとって、すばらしい音楽を作ることが十分ではないと気づく。音楽で成功するためにはビジネスマンになる必要がある。ぼくはじぶんが30歳になって、すべてがとてもシリアスであるという事実もすきじゃないんだ。かつて、親のコンピューターと、安っぽいマイクで音楽を作ったときに見つけた、最初のころの魔法、そういうものをぼくはもう失ってしまったんだ。
- 「Hajani」はぼくのお気に入りです。この曲は2010年のmarathon of dopeのサンプラーに収録されていました。アルバムのなかで最初にできた曲なんですかね?「I say Hajani Hajani…」というリリックはぼくには呪文のように聞こえます。どういう意味なのか教えてください。
「Hajani」はぼくの造語なんだ。ライヴで演奏するときに、お客さんに言ったんだ。これは幸運をもたらし、病気になったり落ち込んだりしたとき、癒してくれることばだと。この曲はジョークのつもりだったんだけど、「Hajani」ってことをばをステージで歌ったら、ほんとうに魔法みたいに思えたよ。
「Son, if you don’t know」や「Echo」がこのなかでいちばん古い曲だね。「Hajani」は元々アルバムに入れるつもりはなかったんだけど、みんながとても気に入ってくれてたから、入れることにしたんだ。
- あなたはゴーストの名前を「miyagijo(ミヤギヨー)」と名付けましたね。ぼくらは2008年のツアーのとき、「ミヤギ」(仙台)に行ったけど、それは気づいてましたか?また、最後の曲はタイトルが「Asian Dreams」で、曲もオリエンタルな雰囲気です。これらの曲を作るとき、日本のことは頭のなかにありましたか?
ミヤギが日本の地名だと知ってたよ。そのあとに「o」って文字を入れたのは、日本にいたとき、日本のみんながぼくのことを「Nomad」(ノマッドゥ)じゃなくて「Nomado」(ノマド)って呼んでたからなんだ(笑)
あと、宮崎駿の映画のなかに出てくるゴーストからインスパイアされたから、その名前を日本語っぽく聞こえるようにしたかったんだよ。ぼくにとって日本や日本の文化はとてもミステリアスで、だからとてもだいすきで・・・日本にもぼくの音楽を聴いてくれるひとがいるってことがとても誇らしくもあるよ。
- あなたはいま30歳で、父親にもなりました。それがアルバムになんらかの影響を与えていますか?
ぼくは『Cats and Babies』はより成熟したアルバムだったと思ってる。『No Magic』は、より遊び心があるように、エレクトロニックに作った。じぶんが年老いたなんて感じたくなかったからね。ぼくの知ってるひとたちのなかでも、子どもができて音楽を作るのをやめてしまった人たちがたくさんいるのも知ってる。父親になることはこの世でいちばんすばらしいことだけど、そのことでじぶんの音楽への情熱がなくならなかったって事実がすごくうれしいよ。
- 日本のファンへMarathon of Dopeコレクティヴについて紹介してください。
Marathon of Dopeはトム・デ・ギーター(ケイヴメン・スピーク、ズッキーニ・ドライヴ、スピード・ダイアル7)とパトリック・スケーン(ピピ・スキッド)によって運営されてる。オンライン・レーベルでアルバムはフリー・ダウンロードできるんだ。また、じぶんたちのお金を寄付することを選ぶこともできる。純然なヒップホップ・アーティストもいれば、エレクトロ・ポップやその中間もいる。ヴァラエティに富んだアーティストがそれぞれすばらしい音楽を作ってるんだ。
- 共感を感じるアーティストはだれかいますか?また、お気に入りのアルバムがあれば教えてください。
きのう、ブリュッセルでおこなわれたラディカル・フェイスのライヴにいったよ。彼の『Ghost』ってアルバムがだいすきで、新しいアルバム『The Family Tree: The Roots』も会場で買ったよ。こっちもものすごくいいね!
(インタヴュー質問:大崎晋作)
Nomad – Son, if you don’t know
Nomad新曲「Son, If You Don’t Know」ミュージック・ヴィデオ。ニュー・アルバムは来月!
2008年の2ndアルバム『Cats and Babies』以来、3年ぶりとなるニュー・アルバム『No Magic』を完成させたNomad。
そのなかから「Son, If You Don’t Know」のミュージック・ヴィデオが届きました。Nomad自身が主演/監督を務め、Tom De GeeterとPip Skidが出演。チル・ウェーヴ色のある曲調はこれまでとは違いますが、そもそもベッドルーム・ミュージックという共通点があるので、この変化はそれほど驚きはないかもしれませんね。
アルバム『No Magic』はMarathon of Dopeより12月にリリース予定です。フリー・ダウンロードなのでhueからCDのリリースはありませんが、彼のインタヴューをhueのウェブサイトで行う予定です。
Howler (ex-Zucchini Drive) 1st EP『Mud EP』リリース!
ズッキーニ・ドライヴがHowlerに改名したことはこちらで先日お伝えしましたが、Howlerの1st EP『Mud EP』が今週Marathon of Dopeよりリリースされました!
先行で発表されたシングル「Colossal Show」を含む全7曲。ドラマーが入って、ポストロックっぽいプロダクションに進んでいくのかと思いきや、曲によってはチルウェイヴ的なサウンドからシンセウェイヴ的なサウンドまでいまっぽい雰囲気をまとっていてとても驚きました。が、スタイルにとらわれないのが彼らのよさなのです!
『Mud EP』は以下でフリーダウンロードできるので、ぜひチェックしてみてください!!
Zucchini DriveがHowlerに改名!!1stヴィデオ「Colossal Show」
トムのソロ・プロジェクトSpeed Dial 7が忙しくて、しばらく活動がおとなしいと思ってたズッキーニ・ドライヴですが、いつのまにかドラマーのPieter Blanckeを新メンバーに迎え、名前をHowler(ハウラー)に改名したとのこと!なんと!
個人的にズッキーニ・ドライヴという名前に思い入れがあったのでなんか残念ですが、思えば彼らはもともとThe World After 4/02から名前を変えていたわけで、いまさら名前のひとつやふたつ変えても・・・ってことで、ズッキーニ・ドライヴ改めハウラーを今後ともよろしくお願いいたします。
1st EPが6/28にリリースされるようですが、そこに収録される「Colossal Show」のヴィデオが届きました。
やはりパーカッシヴなドラムと、HitchのMich Decruyenaereによるギター・サウンドが目立ちますが、彼らの歩みも鑑みると、こういったロックとエレクトロをミックスしたようなプロダクションになるのでしょうか。個人的にはGiardini di Miroのコッラード・ヌッチーニとの共作の雰囲気をちょっと思い出します。
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