hue and cry

Archive for the ‘music news’ Category

Matt Elliott 「絶望の歌 三部作」の恐怖のボックスセット!

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ひさしぶりのMatt Elliott情報です。『Drinking Songs』『Failing Songs』『Howling Songs』という通称「絶望の歌 三部作」の完結から1年余り。いずれも傑作揃いだったこの三部作をまとめたボックスセットが来月リリースされます。

三部作のセッションからの7曲入り未発表曲集、その名も『Failed Songs』を加えたCD4枚組。また、ヴァイナルのボックスも同時リリースで、こちらは500枚限定でなんと12インチ7枚組セットにダウンロードクーポンまで付いて来るという豪華セットになります。コレクターズアイテムには違いないですが、アートワークがいつもすばらしいので、やはりヴァイナルのセットがほしいところ。けど、これ買うひとなんているんでしょうか・・・

『Failed Songs』に収録の未発表曲「Wedding Songs」っていうのが気になります。Matt Elliottと結婚式・・・なんという恐怖!とりあえずしあわせにはなれなさそう(笑)

ici d’ailleurs – Matt Elliott
Matt Elliott myspace

“夢の中にだけ存在する世界” Firefliesニュー・アルバム!

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タマス・ウェルズが昨年来日したとき、最近のお気に入りだと教えてくれたのが、このFireflies。シカゴのLisle Mitnik(ライル・ミトニク)によるワンマン・バンドです。シンガーソングライターという言い方を彼は好まないようで、Firefliesはあくまでもバンドなんだと言い張ります。

そんな彼が2007年のオフィシャル・デビュー・アルバム『Goodnight Stars, Goodnight Moon』(タイトルがすてき)につづく2ndアルバム『Autumn Almanac』を完成させました(ちなみにキンクスに同名の曲があります。)。

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「夢の中にだけ存在する世界」という本作のコンセプトにふさわしい、「ちいさな雪玉サイズの宇宙」と自ら表するピュアでラヴリーな曲の数々は、すべてのインディー・ポップ・ファンの胸を突き刺すことでしょう。

前作は良い意味でも悪い意味でもローファイ・レコーディングでしたが、本作では格段にレコーディングのクオリティーが向上し、特にミックスとマスタリングがよくなった印象。ちいさなベッドルームで形作られたドリーミーな世界はとてもささやかで、ずっと浸っていたいと思わせるようなファンタジー溢れるインディー・ポップです。

また、彼は大の日本好きで村上春樹の小説と宮崎駿アニメ好きの上、「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽を手がける植松伸夫に影響を受けているため、その美しいメロディーには日本人の琴線に触れる部分があると思います。

ちなみにアートワークにも用いられている写真のいくつかはご覧の通り日本のもので、どうやら彼の日本の友人とのコラボレーションだそうですよ。

さらにmyspaceの音楽スタイルの欄には「daradara to fuwafuwa to kaze ni fukareru mama fuusen mitaku iraretara donna ni suteki kana」という日本語が・・・なんだこれはと思って調べたところ、なんと日本のガールズバンドZONEの「+.-.×.÷」という曲のリリックの一節だそうです(笑)

かつてリリックに「Abe Natsumi(安倍なつみ)」を登場させたNoltoと肩をはりそうですね。どいつもこいつも日本が好きだね!

なにやら盛り上がっているThe Pains of Being Pure at Heartとか好きな人も気に入ってくれるんじゃないでしょうか。あそこまでノイジーではないですけどね。個人的にはThe Clienteleの1stを思い出します。あのアルバムいまだに大好きです。

というわけで、本作は来月発売です。p*disでも取り扱いますので、ぜひ聴いてみてください。

Fireflies myspace
Fireflies official website

Immanu El ニュー・アルバム

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たまには身内のレーベルの作品の紹介でも。hueやliricoの姉妹レーベルThomason soundsから12月10日にリリースされるImmanu El(イマニュ・エル)のニュー・アルバム『Moen』がすばらしいです。

Immanu Elはスウェーデンのポスト・ロック・バンドで、上の画像のとおり、クラエス(真ん中)とペール(右)のイケメン双子のストレンベリ兄弟を中心とするバンド。クラエスはefのギタリストでもあります。ふたりはまだ21歳です。

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ふたりがまだ19歳のときにリリースした2年前のデビュー・アルバム『They’ll Come, They Come』も本当にすばらしく、とても愛聴していました。とくにランニングのときに。今回2年ぶりのリリースとなる2nd『Moen』は、度重なるツアー経験が反映されたのか、より力強いサウンドになっていますが、触れただけで砕けてしまいそうな繊細さや、イノセントな透明感は健在。


Immanu El – Storm

こちらはアルバムのラストを飾る「Storm」。珍しくストリングスが用いられていて、アレンジもすばらしく、派手になりすぎない絶妙のバランスを保ちながら展開するギターとストリングスの絡みにクラエスの美しいヴォーカルと、同じ声のペールのバッキング・ヴォーカルが合わさって昇天するようなクライマックスはたまりません。

もし仮にぼくが腐女子ならこの曲で一大作品が描けそうですよ(笑)腐女子ポストロック・・・新しいジャンルの誕生です。と、冗談はさておき、何度も言いますがすばらしい作品です(関係ないけど、自分が絡んでいない作品だと褒めるのは簡単ですね。自画自賛は苦手です)。


Immanu El – Astral Days

こちらは前作収録の「Astral Days」。名曲です。リリックもきれいです。

というわけで、Immanu El。興味を持っていただいたかたはぜひチェックしてみてください。

Thomason sounds : Immanu El – Moen
Immanu El myspace

Parachutes解散!&フリーダウンロード

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以前、こちらのエントリーでご紹介したアイスランドのParachutes。その後、バンドの中心メンバーであるアレックスはパートナーであるシガー・ロスのヨンシーとのユニットでアルバムをリリースしたりとその注目度は一気にあがっていきましたが、メインのバンドである肝心のParachutesは先頃、myspaceで解散を発表しました。該当のブログ記事はこちら

本当に悲しいニュースです。彼らのレーベルであるmoss storiesのmyspaceのアカウントが削除されていることからも、色々と察することができますが、バンドというものはとても難しいものです。

彼らは親切にも過去に残した2枚のアルバム『Parachutes』(2003年)と『Susy』(2004年)と、バンド形態になってからのEP『Tree Roots』をフリーダウンロードできるようにしてくれました。『Parachutes』と『Susy』は聴いたことのある人はそれほど多くはないはず。とても貴重な音源です。『Tree Roots』以降の展開を期待していただけに残念で仕方ありませんが、それぞれまた違ったかたちで新しい音楽を届けてくれるでしょう。

アレックスは“ヨンシー&アレックス”があるからいいとして、個人的にはヴォーカリストのスコットのソロが聴きたいものです。

フリーダウンロードはこちらから。


Parachutes – Tree Roots Turn To Forts

low low low la la la love love loveニュー・アルバム発売間近

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UKマンチェスターのバンドlow low low low la la la love love love。以前、こちらでちらっと触れていましたが、3rdアルバム『Feels, Feathers, Bog and Bees』がいよいよ今月下旬に発売!

「味のある〜」って言葉で済まされると思っている多くの人に「きみはただ下手なだけだからね」とひとりひとり言ってやりたいとたまにすごく思います(hueにしろliricoにしろ、ローファイなのが共通する持ち味であることはこの際、棚にあげて)。

けど、low low low la la la love love loveには「きみたちだけは下手でもいいからね」と言ってやりたかったのに・・・この最新作で完全に化けてしまいました。あの彼らをここまで仕立て上げ たademプロデュースすげぇ。でもね、音の外れていないlow low lowなんてlow low lowじゃないって思っちゃうから、ちょっとさびしい。けど、最高!!

・・・と、以上はp*disのレコメンドに書いたテキストをそのままコピペ(カッコのなかだけ足しました)。彼らに期待していたのはおそらくぼくだけでしょう。そんなことわかってます。けど、本作で彼らがブレイクしちゃっても不思議ではありません(おそらくしないでしょうけど)!

彼らの最大の武器であるコーラスワークを活かすためにシンプルなアレンジを心がけたように思える1stと、楽曲としてのクオリティーをあげようとした結果、演奏力の拙さが露呈してしまったけど、しょうがないからそのまま出しちゃえ、って出したにちがいないとすら思える2ndの愛すべきベッドルーム・フォーク。

この3rdはベッドルームを飛び出してスタジオでレコーディングされ、特にアレンジ面での変化と、その完成度には驚かされました。けど、アレンジがいくら派手になったからといって、彼らは変わっていません。むしろ、そのフラジャイルさはどんどん増していっているかもしれません。また、収録曲のなかでももっとも地味な「Blackbird 3」をシングルにもってきたのはいかにも彼ららしくていい。それが↓のPV。


low low low la la la love love love – blackbird 3

アートワークには沼地に横たわるシカの亡骸。ジャームッシュの『デッドマン』をちょっと思い起こさせます。川の向こう岸に見える家。すぐ近くで腐りゆくシカの存在には誰もきづかないのです。

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p*dis : low low low la la la love love love / feels, feathers, bog and bees 詳細ページ

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