hue and cry

Tamas Wells『Thirty People Away』本日発売!〜発売したから書いておきたいこと〜

タマス・ウェルズの4作目となるニュー・アルバム『Thirty People Away』本日発売いたしました!!

ようやくです。ようやくみなさんとともにこのすばらしい作品を分かち合うことができてほんとうにうれしく思います。タマスが「スペシャル・ワン」たる最大の要素であるあの歌声があれば、タマス・ウェルズの作品はよくも悪くも成立すると言えますが、本作はメロディーとプロダクション面での成熟と純化がほんとうにすごい。

いままででもっとも聴きやすい作品であることは間違いないですが、それだけではない。「悲哀と歓喜を賛美する、この世で最も優美な歌声」と、ぼくは迷った末にそうステッカーに記しました。彼をとりまく状況や、過去のインタビュー内容からすると、『Two Years in April』のダークなムードを払拭するような作品を予想していたのですが、結局はそれを補完するような内容になっていると思います。

各所にちりばめられた宗教的なイメージが目立つように、コントロールできない何か大きなものについて歌っているようにも感じました。抽象的なリリックはより具体化され、あの小さな歌声からは強い意志が漂っています。彼が好んで使う「Grace」という言葉。「美」とも「優美さ」とも訳せますが、これは宗教的には「罪の解放」。心は小さな歌声だからこそ動かせる。本作のタマス・ウェルズの歌は祈りであり、赦しなのだと、何度も聴くうちにそう思えるようになりました。

新しい作品をリリースするたびに、気弱なぼくは「こんなにもすばらしい作品なのに人々に分かってもらえなかったら、がっかりするだろうな」といつも弱気になるのですが、今回はそいう不安はありません。作品に対する信頼、リスナーに対する信頼。それほどの作品だと思います。

もし気に入ったら、ぜひ大切なひとたちにも聴かせてあげてください。少なくともぼくは自分の好きなひとたちにはタマス・ウェルズを聴いてもらいたい。あるいはタマス・ウェルズが好きなだけで、その人を好きになる理由としては十分とも言えます(笑)

そして、ぜひ12月の来日公演にも足を運んでもらいたいと思います。彼はとにかくほんとうにうれしそうに、楽しそうに歌うんですね。それを見るだけでしあわせになれるんです。

次のブログでは、タマス・ウェルズのミャンマーでの生活をテーマにしたドキュメンタリー・ショートフィルムの続報について書きます。

- Tamas Wells 『Thirty People Away』詳細
- Tamas Wells Japan Tour 2010詳細

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