hue and cry

R.I.P. 不可思議/wonderboy

ポエトリー・ラッパー不可思議/wonderboyこと石田剛くんが6/23に亡くなりました。まだほんの24歳。しかもデビュー・アルバム『ラブリー・ラビリンス』をつい先月リリースしたばかりでした。

リリースしたレーベルLow High Who?のParanelくんはぼくがhueをはじめたころからの友人で、彼が不可思議/wonderboyくんをオフィスに連れてきてくれたのがことしの1月のこと。そのときに『ラブリー・ラビリンス』のサンプルをもらったのが最初でした。青臭くてセンチメントでいっぱいのデビュー作らしいデビュー作で、ぼくはこの作品はきっと多くのひとに受け入れられるだろうと思ったものでした。

彼の「絶対売れてみせますから」っていう怖いもの知らずなポジティヴさもとても心地のいいものでした。とても応援したくなるような。そのとき、すでにぼくは彼のことが好きになっていたってことなのでしょう。Paranelくんの周辺のひとたちとはきっと波長があうんだと思います。だからこそ、彼の訃報をきいたとき、ことばを失いました。呆然としました。

6/27。告別式には出席できなかったかわりに彼が残した音楽を聴いて個人的に追悼しました。

谷川俊太郎の「生きる」の詩にみずからの詩を加えアレンジした「生きる」(本人の許可を得ていたそうです)。原詩の美しい響きを活かしながら、まさにいのちとしか言いようがない瑞々しい蒼さがみなぎる傑作だと思います。いつかちゃんとした音源のかたちでのリリースされるにちがいなかったので残念ですし、彼の新しいことばをもう聴くことができないのは悲しくてたまりません。

残念ながらひとつの希望は消えてしまいましたが、音楽は残されています。「生きる」や『ラブリー・ラビリンス』とともに、美しいものを探して生きていこうと思います。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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