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2006年10月15日にタマス・ウェルズの『A Plea en Vendredi』をリリースしてから6年が経ちました。そのころにはまだ名前のなかったLiricoというレーベルのこの6年間は言ってみれば「the way what i am」というか「the way how i am」というか。とにかく、リリースされた作品の一貫性をぼくは誇りにおもいます。そして、Liricoの作品やライヴを観たり聴いたりしてくれたすべての方々にお礼を申し上げます。
次の新たな1年のことをおもっても、まったくなにも見えませんが、The Leisure Society「The Hungry Years」の歌詞を引用すると、「We’ll all get somewhere somehow(なんとかしてどこかへたどり着くだろう)」。かなしい歌とともに。
Radical Face「Always Gold」ミュージック・ヴィデオ&ライヴ映像
アルバム『The Family Tree: The Roots』のリリースからちょうど1年。そのなかでもいちばんの名曲ばかりか、ラディカル・フェイスが書いた曲のなかでもおそらく1, 2を争うであろう「Always Gold」のミュージック・ヴィデオが公開されました。
家を出ていった弟と、その帰りを家で待ちつづける兄の兄弟の絆を歌ったリリックをベン・クーパー自身が映像化した映画のようなヴィデオです。例によって家族や友人とともに低予算で作ったものですが、完成度はとても高いです。
10人兄弟の長男であるベンにとって、家族や兄弟の関係性を物語として描くことの意味はとても高く、それは彼にとってライフワークです。このヴィデオも兄弟がいるものなら誰しも深い感動を覚えるのではないでしょうか。
ベンが繰り返し歌う「Everything goes away ー あらゆるものが消えてなくなる」ということばをぼくはときどき噛み締めています。
そして、この「Always Gold」の3/24の渋谷O-nestでのなつかしのライヴ映像も先日公開されました。もう半年も経ったんですね。みんな元気だといいな。
ラディカル・フェイスの今後の予定としては親友RickolusとのプロジェクトCloneのアルバムが来年の前半にはリリースされるはずです。アルバムは完成していますが、映像の製作待ちのようです。ぼくは一足先に聴かせていただけましたが、「The Family Tree」シリーズを歴史ドラマとするなら「Clone」はSF。とんでもないスケールですよ。まだしばらくかかりそうですが、たのしみにお待ちください!
【Dustin O’Halloran Japan Tour 2012】終了の報告とお礼
ご報告が遅くなりましたが、ダスティン・オハロランの来日ツアー、台風やらなにやらありましたが無事に終了いたしました。
各公演にお越しいただいたみなさまやすべての関係者の方々、ほんとうにありがとうございました。ダスティン自身、各公演の演奏や会場の雰囲気やお客様の質、また、大好きな日本食などすべてに非常に満足しており、今回のツアーを「magical」と評しました。「次はストリングス・カルテットもいれたいね」と再会を誓い合い、ベルリンへと帰っていきました。
来週からはオラフル・アルナルズ、ニルス・フラームらとともにA Winged Victory for the Sullenとして長くハードなヨーロッパ・ツアーへと旅立ちます。どの公演もほとんどソールドアウトということでヨーロッパでの人気をうかがわせますが、もしこんど日本に来ることがあれば、ますますビッグになっていることでしょう。ぼくもがんばらないと。
ダスティンは音楽も本物でしたが、人柄も抜群でした。おもに台風のせいで大変ではありましたが、いつもよりは楽しむ余裕もあったかもしれません。ただ、台風の季節にツアーを組むのは今後はやめておきます。
どうもありがとうございました。また会いましょう!
※写真はsonoriumでのもの。三田村亮さんにお借りしました。
【Dustin O’Halloran Japan Tour 2012】あしたからスタート!
きのう、無事にダスティン・オハロランが来日を果たしました。はじめて会った彼はとても気さくなかたで、41歳のわりには見た目もノリもとても若々しく、ほんの1時間ほど話しただけでたのしいツアーになることを確信させてくれました。
上の画像は成田空港での一枚。今回いっしょに来日した右側の方はフランチェスコ・ドナデッロ。元ジャルディーニ・ディ・ミロのドラマーで現在はベルリンにスタジオを構え、エンジニアとして活躍しています。ダスティンのプロジェクトA Winged Victory for the Sullenのミックスも彼によるもの。最近出たばかりのエフタークラングのアルバムも彼がミックスとマスタリングを手がけています。今回はダスティンの遊び相手としてついてきました(笑)
きのうは早速、大好物の寿司で充電も完了。いよいよあしたの代々木上原MUSICASAでの公演からツアーがはじまります。最近はストリングス・カルテットとの編成のライヴしか行っていないようで、ソロ・ピアノでのライヴはとても貴重なものになると思います。今週、天気はよくなさそうですが、ぜひ会場に足を運んでもらえるとうれしいです。
- Dustin O’Halloran Japan Tour 2012詳細:http://www.inpartmaint.com/event_live_information/dustin2012.php
Grand Salvo新作『Slay Me in My Sleep』発売&来日ツアー決定!
オーストラリアのシンガー・ソングライターGrand Salvoの6thアルバム『Slay Me in My Sleep』が先週発売となりました。
Grand Salvo『Slay Me in My Sleep』
http://www.inpartmaint.com/lirico/lirico_title/AMIP-0017.html
発売元のレーベルPresevationがライセンスには興味がないとのことで諦めかけましたが、この作品はちゃんとした形で紹介すべきだという思いから、歌詞/対訳とボーナストラックのダウンロード・クーポンをつけた国内流通盤という形でリリースすることに決めました(オリジナル盤には歌詞は含まれていません)。
前作『Soil Creatures』でその才能を示した彼が作り上げた最新作は前々作にあたる『Death』のようなコンセプト・アルバムで、少年と老女の物語を紡いだ寓意に満ちたフェアリーテイルのような作品。
とにかく、まるで演劇の脚本のようにみえる曲のタイトルが長いのが特徴的ですが、物語の濃密さと、それを表現するソングライティングとアレンジメントのクオリティの高さが目を見張ります。たとえば昨年、The Leisure Societyの『Into the Murky Water』をはじめて聴いたときと同様の、「完璧なポップ・ミュージックに畏怖する感覚」をぼくはこの作品でも感じました。つまり、ポップの神様(あるいは悪魔)と取引をしたかのような怪作。
本作はベルリンのピアニスト、ニルス・フラームのスタジオでレコーディングが行われました。ニルスがピアノなどの楽器を弾いている他、共同プロデューサーとしてクレジットされています。思いもよらなかった組み合わせですが、両者のクラシカルな共通感覚はそのコラボレーションの結果である本作の至るところで聴かれます。
「国内流通盤」という形態をよく思わないかたもいらっしゃることでしょう(ぼくもそのひとりですし)。けど、儲けることを重視するならわざわざ苦労してこんなことをやるわけありません。特にオーストラリアドルはとても安定してて、ドルやユーロに比べてもオーストラリア盤はいまも高いですし、正直、このプロジェクトで得る利益はほとんどないのです。それでもこうしてLiricoが紹介する意味をすこしでも感じていただければ幸いです。アルバムのアウトテイクと思われるボーナストラックもすばらしいですし、ぜひ歌詞をダウンロードしたうえでGrand Salvoの物語にふれてください。
そして、朗報です。そのGrand Salvoがなんと来月日本にやってきます!ヴァケーションとして来日するついでにライヴもやっちゃおう、ということで数公演を行う予定。以下は詳細が確定している東京公演の情報です。同じく新作をリリースしたMinakumariとのダブル・リリース・パーティとなります。ピーター・ブロデリックとニルス・フラームも演奏した教会でのライヴ。Grand Salvoはギターの弾き語りだと思いますが、すばらしい夜になることでしょう。すくなくともタマス・ウェルズをすきなかたは決して見逃してはいけません!
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Grand Salvo『Stay Me in My Sleep』+ Minakumari 『Rang』Release Party
2012年9月23日(日)
@下北沢・富士見丘教会
open/start: 17:00 / 17:30
adv./door: 2,500yen / 3,000yen
出演:Grand Salvo / Minakumari / cokiyu
DJ:flau
PA:福岡功訓 (Fly sound)
前売りチケットメール予約 event@flau.jp
件名を「9/23」とし、
お名前・連絡先・枚数を明記の上、上記アドレスまでご送信ください。
協力:p*dis/impartment, Lirico, Parade, Taguchi, Fly sound, Preservation
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他の都市の公演も詳細がわかり次第、お伝えいたしますね。
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