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“質問は簡単なのに答えは難しい” とダメ男は歌う 〜The Boy Bathing
秋ともなると、成熟することについて考えたりします。とりわけ、20代後半の秋でございます。「大人になるとはどういうことなのか」とか「自分はなにになりたいのか」とか、質問はとても単純なのに、それに対する答えはとても複雑です。というか、答えなんてでませんよ。
そんなぼくのようなダメ男の2009年を決して彩ったりしない、ダメ男が歌う汗と涙にまみれた名曲をきょうはご紹介します。
それはニューヨークのバンドThe Boy Bathing (ザ・ボーイ・ベイジング)の昨年リリースのアルバム『A Fire To Make Preparations』に収録された、「The Questions Simple」という曲です。↑のフラッシュプレイヤーで試聴できるので、ぜひ聴いてみてください。めっちゃ名曲です。曲のすばらしさもさることながら、歌詞が泣けます(歌詞はこちらを参照ください)。
ヴォーカルのDavid Hurwitz(ブサメン)の実体験を写したような歌詞のダメっぷり。メロディーの美しさとエモーショナルなヴォーカルがひたすら心に突き刺さります。
彼の歌声は、タマス・ウェルズやクリス・ガノのように決してきれいなものではありません。むしろダミ声です(笑)けど、この声で、(そしてこの顔で)この歌が歌われるからこそ、心に響くんだと思います。
そして、コーラスでもユニゾンでもなく挿入されている女性ヴォーカルがとてもいいかんじなんです。まったく違う旋律を歌う彼女の歌は、決して交わらない気持ちを表しているかのように、とても切なく響きます。あるいは、歌詞が示すとおり、彼にとって叶わない恋を表しているのでしょうか。
‘Cause every poem I’ve written you can take apart
the questions can be simple but the answer hard
how can I finish if I never start
How can I love you with a broken heart?だって、ぼくが書いた詩すべてをきみは酷評するから
質問はシンプルなはずなのに、答えはむずかしい
はじまってなかったとしても、ぼくはどうやってやめればいいの?
傷ついた心でどうやってぼくはきみを愛すればいいの?
なんて青いんでしょう?「Running through the rye, but there is no catcher」なんて歌詞も飛び出して、ひたすら赤面してしまいます。中学生のときに始めて聴いたウィーザーの『pinkerton』を思い出しましたよ。あの頃死ぬほど聴いたのに、いまではあまり聴かなくなったウィーザーのように、この曲もずっとは聴いていないかもしれませんが、少なくとも今年のぼくにとっては大切な1曲です。