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We Are The Willows『Picture (Portrait) 』〜亡き祖父母が交わした350通の手紙〜
ミネアポリスのインディー・ロック・バンドWe Are The Willowsのニュー・アルバム『Picture (Portrait) 』。アルバムとしては2009年の『A Collection Of Sounds And Something Like The Plague』以来、5年ぶりとなる作品。当時はシンガー・ソングライターPeter Millerのソロ・プロジェクトでしたが、その後メンバーが増えて、現在は6人編成です。
このバンドの特徴はなんと言ってもPeter Miller(写真いちばん左)の(見た目に似合わぬ)美しい歌声。中性的美声男性ヴォーカルを多数擁するLiricoも太鼓判を押すその歌声は、少年のような、少女のようなフラジャイルさをたたえています。
本作『Picture (Portrait) 』はPeterの祖父母が第2次世界大戦時にやりとりした350通の手紙からインスパイアされたとのこと。1942年にふたりは出会ったものの、祖父は大西洋に派遣。その後、お互いによく知らないまま4年にわたって手紙が育んだ愛...とてもロマンティックでエモーショナルな傑作です。
Bandcampでダウンロード販売中:https://wearethewillows.bandcamp.com/
2010年上半期オススメの歌声
2010年が半分終わったということにおどろきを隠せません・・・。上半期ベストを挙げるのも面倒なので、このブログで取り上げてこなかったアーティストを紹介することでそのかわりとさせていただきます。
米ミネアポリスのPeter Millerによるソロ・プロジェクトWe Are The Willows。今年の3月に1stアルバム『A Collection of Sounds and Something Like the Plague』をリリースしました。このひともまた「スペシャル・ヴォイス」の持ち主です。元保育園の先生という24歳。
正直なところ、上の画像からは想像もできないような美声です(24歳というのも信じられませんが)。むしろ天賦の才能とはなにかとひきかえに得られるもの。彼は人も羨むようなルックスを持って生まれることはできなかったですが、そのかわりに神様は彼に特別な歌声を授けました。
フリーダウンロードできたEP『A Family. A Tree. EP.』は本当にすばらしい作品でした。そのなかの「Isabel’s Song」を聴いたとき、たとえば、Bright Eyesの「Perfect Sonnet」をはじめて聴いたときと同様の衝撃を受けた記憶があります。当時勤務していた保育園の子どもたちの声のフィールドレコーディングをバックに奏でられる荒削りだけどやさしく響く美しい歌声。残念ながらこの青年がBright Eyesのように注目を集めることはないでしょう。でも、ぼくは見守りつづけたいと思います。なぜなら彼は歌いつづけないといけないのですから。
期待が大きすぎたためか、1stアルバム『A Collection of Sounds and Something Like the Plague』は、正直、EPほどの作品とは言いがたいものだったと思います。統一感という面では個人的に不満が残る内容ですが、まだまだ若いので今後の成長に期待したいと思います。
ちなみに彼はRed Fox Grey Foxというバンドのヴォーカリストでもあります。このバンドは過去に1枚アルバムをリリースしていますが、シンガー・ソングライターにとって受難の時代ですので、むしろそっちのほうがブレイクの可能性はあるのではないかと。いや、ないか。
We Are The Willows – Isabel’s Song (live)