二人とも、私のために争わないで。
NY在住の翻訳家で実験音楽家のErico Wakamatsu、自身のバンドquiet actingでも活躍中のフレットレスベーシスト、ハマツヨシフミ、murmur records 相田悠希の3人で結成された新感覚実験音楽トリオ。ノイズと即興、オーディオプロセシングといったこれまでの実験音楽の要素をロックとヒップホップのリズムで展開する。フレットレスベースを軸としたその特異なバランス感覚による電子音楽は、美術、舞台の領域から、「Ametsub, shotahirama 以降の電子音楽はこうなっていくのではないか」という電子音楽の一歩先を予見する声すら上がっている。
「個人的にはこの音楽は、わくわくするような初期電子音楽の高揚感と、まるでミック・カーンのように縦横無尽に動き回る力強いフレットレスベース、それからErico Wakamatsuのチャーミングな声という三つの要素が絡まり合いながら、今までのどんな音楽でもない、新しい地点へ着地出来ていると思いますし、このどろりとした質感は、次の作品制作が非常に楽しみなトリオだと感じています。
坂本龍一さんは1978年に、デビューソロアルバム「千のナイフ」のライナーノーツにこう書いています。『そうなるとやっぱりこれからは、アポロンとディオニソス的に精神界の戦になる。自分をひたすら自動反射ロボットにしようという志向との戦いですね。前者はすごく健やか、後者は敗北主義。しかしながら、ヒットラーは後者に属している。後者にとって前者は使用人にするのに最適だ。そして、どっちも嫌だ、という第三勢力である分裂症群がいる。私はここにいる。』さて現在、音楽は、そして音楽の未来はどちらの方を向いているでしょうか。ディオニュソスが勝つのかアポロンが勝つのか、はたまた両者を飲み込んだものが生き残るのか、あなたのその耳でもう一度考えてみてください。この問いは現在でも未だ有効なのです。」(murmur records 相田悠希)
AOR | メンバー
Erico Wakamatsu: voice,electronics
ハマツヨシフミ: fretless bass,electronics
相田悠希: electronics
Track list :
1. intro
2. reversal
3. response
4. bathroom
5. melatonin