Quique Sinesi
“7 sueños / Familia”
キケ・シネシ
『シエテ・スエニョス/ファミリア』
¥2,480+税
RCIP-0212
2012年9月14日リリース
レーベル : bar buenos aires/インパートメント
現代アルゼンチンを代表するギター奏者にして作曲家キケ・シネシの、オリジナル新曲を収録したソロ名義のアルバムとしては実に9年振りの作品は2枚組21曲収録!キャリア最重要作品となる名作が、日本完全先行リリース!
初来日ツアーで訪れた7都市の印象を描いた『7 sueños(7つの夢)』と、家族への想いを綴った作品を中心にした『Familia(家族)』。この2枚に収められた全曲が書き下ろしの新曲であり、そのどれもがみずみずしい詩情をたたえ、深く胸に迫ります。流れるようなアルペジオを爪弾くその音色は最初の一音からキケ・シネシそのものであり、この偉大な音楽家の長い音楽人生の「頂点」としてのいまがここにあることを教えてくれます。
ギター・ソロをメインに、曲ごとにサックスやチェロ、パーカッションなどを迎えるシンプルな編成と、静寂や余韻を大切にした演奏が、キケならではの美しいメロディーをさらに際立たせます。カルロス・アギーレ、そしてアルゼンチンのモダン・フォルクローレのリスナーはもちろん、パット・メセニーやエグベルト・ジスモンチなどのギタリスト、さらにはECMレーベルの諸作を愛するリスナーまで必聴です。
【解説:吉本宏(bar buenos aires)】
柔らかな表情を浮かべた哲学者のような佇まい。それに対峙する野生の生き物のように優美でしなやかなギターの響き。悲しみも希望もすべてを包み込むような優しいまなざしの先にあるのは、キケ・シネシという音楽家のありのままの姿。いくつもの偶然や運命のいたずらが重なり合い生まれたこのアルバムに宿る想い。そこにはもはや何の言葉も必要ないのかもしれない。
河野洋志(bar buenos aires)
盟友カルロス・アギーレとともに、「静かなる音楽」ムーヴメントの中心的存在であり、音楽的指針であるキケ・シネシ。その30年を超えるキャリアの新たなマイルストーンとなる、オリジナル作品を収録したソロ名義のアルバムとしては2005年以来実に9年振りの作品が遂に発表。
フォルクローレからジャズ、クラシックまでをハイブリッドした洗練を極めた音楽性と、高度なテクニックに裏打ちされた創造性あふれる演奏で、現代アルゼンチンを代表するギター奏者として、世界的な名声を得ていたキケだが、それと裏腹に、ここ日本では知る人ぞ知る存在だった。しかし2012年のカルロス・アギーレとのデュオ・ツアーで初来日、多くの音楽ファンの前で圧倒的な演奏を披露し喝采を浴び、その評価と人気に火がついたのは記憶に新しい。
本作は「日本での日々をきっかけに、創作への情熱が、長い年月を埋めてあまりあるほどにあふれだした…」と本人が語るとおり、2012年以降に作曲された新曲のみを収録。初めての日本ツアーで訪れた7つの都市(東京/名古屋/京都/姫路/岡山/福岡/山形)の印象を描いた楽曲で構成された『7 sueños(7つの夢)』と、惜しくも昨年亡くなった母親への、そして大切な家族への想いを綴った楽曲を中心に構成された『Familia(家族)』の2枚組・21曲収録という入魂の作品となった。
ギター・ソロをメインに、曲ごとにそれぞれサックスやチェロ、パーカッションなどを迎えるシンプルな編成と、時にダイナミックに、時に静寂や余韻を大切にした演奏が、キケならではの美しいメロディーを際立たせる。彼の目と感性を通した日本の風景や人々の情景を呼び起こすような『7 sueños』と、出逢いの喜びや深い愛情、そして哀しみや心の平安といった感情が胸を衝く『Familia』。その2枚に、キケ・シネシの音楽人生の頂点としてのいま、その全てが収められている。
Track list
Disc-1 “7 sueños”
01. El camino de la princesa ~ Himeji
02. Refugio antiguo y misterioso ~ Nagoya
03. El aura de la montaña ~ Yamagata
04. Oriente urbano ~ Tokyo
05. Templo de la belleza ~ Okayama
06. Colina de la abundancia ~ Fukuoka
07. Dimensión ciudad ~ Kyoto
Disc-2 “Familia”
01. Inspiración 1
02. Instantes en familia Ⅰ
03. Instantes en familia Ⅱ
04. Instantes en familia Ⅲ
05. Inspiración 2
06. Aurora
07. Tu cancion en mi
08. Inspiración 3
09. Voces del viento Ⅰ
10. Voces del viento Ⅱ
11. Voces del viento Ⅲ
12. Ciclico
13. Inspiración 4
14. Melodia de olvido
Quique Sinesi
キケ・シネシ
1960年、ブエノス・アイレス生まれ。アルゼンチンでもっとも重要なギタリストの1人と称され、タンゴとフォルクローレをベースに、クラシック、ジャズ、即興などの意匠を取り入れた演奏スタイルは唯一無二。7弦ナイロンギターをメインに、チャランゴ(南米アンデス地方のフォルクローレに使われる小型の弦楽器)、ピッコロ・ギター(通常のギターの約半分のスケールの、高い音域のギター)、そしてアコースティック・ギターを自在に弾き、豊かなイマジネーションと、確かなテクニックに裏付けられたその音色は、瑞々しい情感と精緻な表現を併せ持つ。
14歳ですでにプロとして活動を始め、20代前半でバンドネオン奏者ディノ・サルーシ・カルテットのギタリストとしてヨーロッパ・ツアーに抜擢されて以降、アストル・ピアソラ・バンドのピアニストだったパブロ・シーグレル、アルト・サックスの巨匠チャーリー・マリアーノ、マルチ・リード奏者マルセロ・モギレフスキー、ペドロ・アスナール、ルーベン・ラダ、フアン・ファルー、そしてもちろんカルロス・アギーレなど、アルゼンチンから欧米まで多数の音楽家と共演し、作品を吹き込んできた。
ソロイストとしても、数々の大きな国際ギター・フェスティバルに参加。1989年発表の初ソロ・アルバム『Cielo Abierto』、98年の名作セカンド『Danza Sin Fin』を始め、これまでに5枚の作品を発表している。