静謐さをたたえた幽玄の響きと、鮮やかに躍動する旋律。急速な発展をとげるアルゼンチン〜南米音楽シーンから現れた、新しい感性で奏でられるジャズ/室内楽/モダン・フォルクローレの男女デュオのデビュー・アルバム。早くも2017年のアルゼンチン作品年間ベスト候補と評される、高い音楽性と現代性を備えた作品です。

もしこのアルバムがアルゼンチンではなく、アメリカやヨーロッパで作られたものだとしたら、ECMやグレッチェン・パーラト、ベッカ・スティーヴンスらと共に語られただろう…。非凡な作曲/編曲センスを持つピアニスト/コンポーザー/アレンジャーのアンドレス・マリーノと、プリミティヴな歌心と前衛的な感性を併せ持つ歌手ルシア・ボッフォによる若きデュオのデビュー・アルバムは、急速な発展を見せるアルゼンチン音楽シーンの中でも特筆すべき作品。
ピアノとヴォーカルの抜群のコンビネーションによる、静謐かつ鮮烈なデュオ・スタイルを基本フォーマットとし、ジャズをベースに弦楽五重奏やエレクトロニクスを取り入れた、幅広い音楽性と極めて現代的なアレンジが素晴らしい。プリミティブな歌心がフォルクローレの血を感じさせるルシア・ボッフォは、美しく印象的な旋律を自在に操り、聴くものを捉えて離しません。
 
「ジャズ・ザ・ニュー・チャプター」や「インディー・クラシック」といった北米のムーヴメントと通じ合う音楽性と、アンドレ・メマーリ、タチアナ・パーハ&ヴァルダン・オヴセピアン/アンドレス・ベウサエルトの系譜にある、従来の南米音楽に留まらない革新性を併せ持った、驚くべきアルバムの誕生です。
 
 
<収録曲>
01. Ciclico / 循環
02. Diente de Leon / ダンデライオン
03. Centinela / 見張り
04. Coral / 合唱
05. Ella Alli / 彼女はそこに
06. Desde el Principio del Mundo / 世界のはじまりより
07. Fugaz / はかなさ
08. Bichos / 蟲
09. La Muerte Fabulosa de los Numeros / 数字の架空の死
 
 
アルバムパーソネル:
Lucia Boffo:Voice & Compositions
Andres Marino:Piano, Chorus & Compositions
 
参加ミュージシャン:
Sebastian de Urquiza: Contrabass on 1,6
Violeta Garcia: Cello on 1,6
Irene Cadario: Violines on 1,6
Matias Scheines: Violin on 1,6
Gabriel Goweznisndky: Violin on 1,6
 
2016年アルゼンチン録音

 
 
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