“もし時間が「非線形」だとしたら、過去を処理するために戻るのを止めるものは何だろう?”
親友の悲劇的な死、失恋、葛藤。内省の旅の果てに行き着いた”音楽的なタイムトラベル”は、トラウマとなるタイムラインを解剖し、癒し、そして生き延びるために自分自身の道を切り拓く。

この作品は、ヴァージニア州はリッチモンドを拠点に活動するMcKinley Dixonにとって、これまでの2つのセルフ・リリース・プロジェクトに続くリリースであり、初めてのレーベルからのリリースとなる。リッチモンドの豊かなDIYシーンで活動するDixonは、自身の音楽を癒しとして、そして黒人として生きる経験を模索し、紐解いていくための活路として捉え、常に探求と創造を繰り返してきた。過去にリリースした2枚のミックステープでは、自己愛から警察の残虐行為、そして黒人が集団として、また個人として抱えている複雑なトラウマに至るまで、様々なコンセプトを取り上げている。
 
リッチモンドのレーベル Spacebomb からのデビュー・アルバム”For My Mama And Anyone Who Look Like Her”は、失恋と内省の旅の集大成とも言える作品で、彼は肉体的にも精神的にも、また時空を超えた新しいコミュニケーションの方法を模索している。
 
“黒人は、コミュニティ、ブロック、フッドなどのホームの概念を徹底的に語る能力を持っていますが、それは、それらの概念がブラックネスと結びついているからです。その能力と、すでに内在化され、その場にある言語のようなものは、話者(ラッパー)が現在の設定で存在することを可能にし、同時に彼らの過去を回想し、解剖し、議論することができるようにしています。もし時間が「非線形」だとしたら、過去を処理するために戻るのを止めるものは何だろう?そして、私たちの進むべき道をより良いものにするために、コミュニティや私の周りの人たちのために、私には何ができるかを考えています。私や他の黒人にとっては、ラップを聴くと、その音楽の中の瞬間を自分の人生やパターンに当てはめることができます。自分と似たような人たちの世界を垣間見ることで、帰属意識を感じることができるし、ある意味ではホームのようなものを感じることができる。ラップミュージックには、『他のどこかに行きたい。いつか他のどこかに行って、コミュニティ全体を連れて行く。』という非常に強固な軌跡があると思います。”
 
このユニークな音楽的タイムトラベルのコンセプトは、”For My Mama And Anyone Who Look Like Her”のストーリー性を高めており、ディクソンが自身の周囲環境を整理し、処理していく過程で、様々な段階を経ていくことになる。それは内なる悪魔、宗教との複雑な関係、黒人の死を理解しようとする試みなど多岐にわたる。
 
2018年、彼の親友は悲劇的に殺された。黒人であること、この世界で生きていくという文脈において、”音楽的なタイムトラベル “は、ディクソンにとって、トラウマとなるタイムラインを解剖し、処理し、癒し、そして生き延びるために自分自身の道を切り拓くための方法となっている。”このアルバムは、今の自分自身のために、そして若い頃の自分自身のためにある。”とディクソンは説明している。”それはまた、死んだ同郷人との会話でもあるんです。黒人の死がニュースになるたびに、近所の人や家族の中で起きている中で、その処理には特定の開始点と終了点がありませんでした。”
ここにある曲群は、ディクソンが断片化された記憶や、まだ閉じられていない章を循環させ、人種差別、死、トラウマといった物語が、彼自身のために作った新しいタイムライン上でどこに存在するのかを調整し始めるための唯一の方法なのだ。
 
 

Track listing: 
 
Chain Sooo Heavy
Never Will Know (feat. Micah James, Gold Midas)
Bless the Child
make a poet Black
protective styles (feat. Abby T.)
Swangin’
brown shoulders (feat. Ms. Jaylin Brown)
B.B.N.E. (feat. Teller Bank$)
Grown Man Voice (feat. Micah James, Lord Jah-Monte Ogbon, Pink Siifu)
Mama’s Home (feat. Alfred.)
Twist My Hair (feat. Deau Eyes)

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