Atsuko Hatano & Midori Hirano
“Water Ladder”
波多野敦子 & 平野みどり
『ウォーター・ラダー』
¥2,640(税込)
AMIP-0267
2021年12月3日リリース
国内流通盤CD
レーベル:Alien Transistor
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国内流通盤のみボーナストラック「Vapors Echo」のダウンロードコードつき
Atsuko HatanoとMidori Hirano…エクスペリメンタル・シーンの第一線で長年活躍する2組のアーティストによる初のコラボレーション・アルバム
ベルリン在住のマルチ・インストゥルメンタリストMidori Hiranoと、東京在住の弦楽器奏者Atsuko Hatano(波多野敦子)による初のコラボレーション・アルバムがドイツのAlien Transistorからリリース。
両者のコラボレーションは2006年にMidori Hiranoの1stに波多野敦子が参加したことが始まりですが、それに続く、心動かされる重層的なこの作品の基盤は2019年にベルリンと日本でステージを共にしたときに築かれました。最初はリモートで作業し、その後、奈良のsonihouseでレコーディングされました。
「度重なる音源のラリーを続けていると想定外の揺らぎや不条理が発生し始めた。そうして不思議な弾力と浮遊感を有した、型の無い音楽が生まれてきた。それは私たち2人の間に「水の梯子」を掛けるような作業だったのだと思う。」
ジム・オルーク、石橋英子、モッキー、山本達久、トウヤマタケオ、須原杏(ASA-CHANG&巡礼)など、ソロや仲間とのレコーディングで多忙を極める作曲家/ヴィオラ奏者の波多野敦子は語ります。
京都出身でベルリンを拠点に活動するMidori Hiranoは、MimiCofという名義でも活動しており、『Water Ladder』の刻々と変化するサウンドスケープに複数の楽器でいろどりを加えています。本作は、宙に浮いているかのようなサスペンスフルな構成が特徴で、その感覚を「高速エレベーターに乗った時に感じる、上昇しているのか下降しているのかわからなくなるような、あの不思議な浮遊感」になぞらえています。
小鳥のさえずりは聞こえませんが、アルバムの冒頭を飾る「Summer Noise」では、夏の終わりの空気感がさまざまな音で満たされています。映画のようなイントロに、ゆっくりと動くピアノのコードが、8分間の広大な時間をかけて不吉な雰囲気を醸し出しています。他にも、「Nocturnal Awakening」では突然のヴィオラの炸裂が夜の静寂を切り裂き、続く「Cotton Sphere」では、宙に浮いているような感覚を完全なものにしています。ハーモニーとメロディーが立ち上がり、形成され、再びバラバラになって、以前に定義された空間の痕跡だけが揺らめきます…。
タイトル・トラックが中盤でまさに爆発したのに対し、最後の「Cascade」は6曲のエレクトロ・アコースティックのコレクションに終わりをもたらします。浮遊感は続いていますが、連動する音楽の平面はもはや乱れたり波打ったりせず、一度に多くの方向に引き裂かれることもありません。その代わり、音の流れは、豪雨や突然の雪解けの後の儚い滝のように、合流し、やがて消えていきます。
「水は自身で形を留めることができず、外部からの働きかけにより自在に姿を変える。視覚だけではその動きは捉えきれない。深く底の見えない滝壷へ吸い込まれるように激しく落ちて行くように見えても、実際は非常にゆっくりと力強く上昇している最中なのかも知れない。そんな水の自在な動きのように、聴く度に変容していくみどりと私の間にかかった「水の梯子 / Water Ladder」をあなたにも渉って欲しい。」(波多野敦子)
Track listing:
1. Summer Noise
2. Nocturnal Awakening
3. Cotton Spheres
4. Water Ladder
5. Sleeping Trees
6. Cascade
Atsuko Hatano & Midori Hirano
波多野敦子&平野みどり
Atsuko Hatano
3歳よりヴァイオリンを始める。ヴィオラ、チェロ、コントラバスもこなすストリングス・プレイヤー。ライブでは主に5弦ヴィオラとエフェクターを用いて重低音やドローン、ノイズ、更には古典的なハーモニーを組み合わせて独自の音楽空間を創り上げる。2019年5月には単独ヨーロッパツアーを敢行、4カ国全12本のソロ・ライブツアーを行う。
1stアルバム「13の水」のリリースをきっかけに多くのCM音楽や映画音楽を制作を始める。2018年に発表した「Cells#2」にて独自の手法で弦楽オーケストラを形成するCells Musicを発表、今作含め全7作のシリーズとしてのリリースを目標に今後も継続していくコンセプト作品。
ジム・オルークや石橋英子のバンドメンバーでもあり、KID FRESINOの新作や折坂悠太「平成」含む近年作の弦楽を担当。これまでにMOCKY, ARNOLD DREYBLATT, A WINGED VICTORY FOR THE SULLENやTORTOISEらの日本公演メンバーとしても活躍。
Midori HIrano
京都出身、ベルリンを拠点に活動する音楽家、作曲家、プロデューサー。幼少期にピアノを習い始めたことがきっかけとなり、大学ではクラシックピアノを専攻。そのため、彼女の作品は、ピアノ、弦楽器、ギターなどのアコースティック楽器の使用を基本としながらも、実験的であり、繊細な電子処理を施したモダンなデジタルサウンドやフィールドレコーディングを折衷したものとなっている。
nobleやSonic Pieces、Dauwなどから多数のアルバムをリリースするとともに、メロディーのかたちやハーモニーと結びついたきめ細やかなリズム・パターンとエクスペリメンタル・ミュージックの探求を目的としたエレクトロニック・ミュージック寄りのプロジェクトMimiCof名義でもPROGRESSIVE FOrMやAlien Transistorからリリースしている。