モンゴルの伝統的民謡オルティンドーとジャズを融合させたシンガー・ソングライター、エンジ待望のニュー・アルバム
モンゴル出身でドイツのミュンヘン在住のシンガー・ソングライター、エンジことエンクヤルガル・エルケムバヤル(Enkhjargal Erkhembayar)。モンゴルの伝統的民謡オルティンドーにジャズとフォークを独自に融合させた、2021年リリースの2ndアルバム『Ursgal』が高い評価を獲得し、ロングセラー。このたび、2年ぶりとなるニュー・アルバムが届けられました。
ミュンヘンのジャズ・クインテット、フェイザーのポール・ブランドルのギター、モンゴル人コントラバス奏者ムングントフ・ツォルモンバヤル(Munguntovch Tsolmonbayar)のコントラバスと、彼女のヴォーカルによる盤石のトリオに加えて、本作『Ulaan』ではブラジル出身のドラマー、マリア・ポルトガルと、クラリネット奏者、ジョアナ・ケイロスが参加したクインテット編成によって、地に足の着いたフォークと陰鬱なジャズの融合を生み出しています。
文化を超えた共通体験、帰属意識と親和性への疑問が、このアルバムの重要なテーマです。エンジは自分探しの旅を続けながら、新しい役割に適応し、成長し続けています。『Ulaan』では、これまで以上に心をさらけ出していますが、ヴォーカリストとして、バンドリーダーとして、そしてストーリーテラーとして、彼女はまだ多くのものを与えてくれるでしょう。
前作に引き続き、Squamaレーベルの共同創設者でもあるミュンヘンのプロデューサー、マーティン・ブラッガーがプロデュースとミックスを担当しています。
Track listing:
1. Zuud
2. Taivshral
3. Duulnaa
4. Temeen Deerees Naran Oirhon
5. Vogl
6. Ulaan
7. Libelle
8. Picture / Three Shadows
9. Encanto
10. Uzegdel
Enji
エンジ
モンゴルの首都ウランバートルで生まれ育ったミュンヘンのシンガー・ソングライター、エンジことエンクヤルガル・エルケムバヤル(Enkhjargal Erkhembayar)。労働者階級の末娘としてユルト(遊牧民族の円形型移動テント)で育つ。両親からモンゴルの民謡や舞踊の伝統を学び、オルティンドーという、ホーミーと並び遊牧民族モンゴル人を代表する歌唱法を教わった。
もともと小学校の音楽教師という職業に満足していた彼女だったが、2014年にドイツ人ベーシストのマーティン・ツェンカーがゲーテ・インスティトゥートのファンドでモンゴルにジャズ教育プログラムを持ち込んだことをきっかけに、ミュージシャンとしての道を歩むことに。
2017年、伝説的なアメリカのドラマー、ビリー・ハート、ドイツのサックス奏者ヨハネス・エンダース、イギリスのピアニスト、ポール・カービー、そして彼女の指導者マーティン・ツェンカーとともに、モンゴルを代表する作曲家センビーン・ゴンチグソムラー(Sembiin Gonchigsumlaa)の作品集『Mongolian Song』を録音。
その後、彼女はドイツのミュンヘンへと移住し、2020年にミュンヘン音楽・舞台芸術大学のジャズヴォーカル修士課程を卒業した。新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけにした深い自己内省をもとにした2ndアルバム『Ursugal』を2021年ミュンヘンのSquamaからリリースした。