イタリアの芸術都市マントヴァのメランコリック・ピアニストが紡ぎだすファンタジー。
マックス・リヒターのメランコリアとダスティン・オハロランのパッションをあわせ持ったロマンティックなポスト・クラシカルの至宝。
2011年にリリースされた日本編集盤『Fragments Found + Viandanze』がロングセラー中のイタリア人ピアニスト、ファブリツィオ・パテルリーニ最新作。
2011年秋から冬にかけて毎週1曲ずつインターネット上でフリー・ダウンロードで発表した作品をまとめた2012年リリースの前作『Autumn Stories』では、ストリングスを取り入れたアレンジを行い、その発表の方法も含めてチャレンジと言える作品でした。そして約1年ぶりに届けられた本作は、『Now』と題されているように、まさにファブリツィオ・パテルリーニというアーティストの「いま」が込められた作品となっています。
2010年の作品『Fragments Found』以降、自身のピアノにエレクトロニクスを加える方法論を模索していたという彼が出会ったのがロンドンのエレクトロニック・アーティスト、ロンドンDC。『Autumn Stories』に続き起用したヴァイオリン、チェロ、ヴィオラというストリングス・トリオのアンサンブルと、今回初めて取り入れた生ドラムによって、より多様的でドラマティックに変化したサウンドに、ロンドンDCがエレクトロニクスによるアレンジを巧みに加えることによって完成。
その結果、マックス・リヒターのような繊細なエレクトロニクス混じりのシネマティック・サウンドスケープに、オラフル・アルナルズのような大胆な構成とアレンジの両方を合わせた力強くエモーショナルで美しい作品に仕上がりました。
ロック・バンド上がりの遅咲きのアーティストながら、近年、インターネットを中心に積極的に活動し、徐々にファン・ベースを拡大しつつある彼の音楽は、同じくポップ・ミュージックからクラシック音楽にアプローチするピアニスト、ダスティン・オハロランとよく比較され、シンプルでありながらエモーショナルなメランコリアを持った叙情的なメロディーは聴くものの想像力を刺激する豊かな物語性をたたえています。
※国内盤のみライナーノーツ/ボーナストラック1曲のダウンロード・コードつき
Track list
01. After the Rain There Will Always Be the Sun
02. Not from the Past, Not for the Future
03. Summer Nights
04. Darkness Is Not the Opposite of Light
05. Iceland
06. My Perfect Time
07. Silent Eyes
08. Unrequited #4
09. Harmattan
10. Behind the Sky
11. Finale
12. There’s A Light We Might See
13. You Are Not Alone
Fabrizio Paterlini
ファブリツィオ・パテルリーニ
イタリアのマントヴァの作曲家/ピアニスト。6歳からピアノを弾きはじめ、マントヴァの芸術学校で音楽理論を学んだ。90年代にはロックやポップからジャズに至るまでさまざまなバンドで演奏し、次第に作曲をはじめた。90年代が終わりに近づいたころ、ついにピアノに集中していくことを決断。ソロ・ピアニストとしてじぶんの作品を作っていく。2007年、アルバム『Viaggi in Aeromobile』でデビュー。上品なメロディーと美しいストラクチャーが高い評価を得た。2011年に2ndアルバム『Viandanze』と 3rdアルバム『Fragments Found』をまとめた編集盤で本格的に日本デビュー。
*Discography
albums:
2007 Viaggi in Aeromobile
2009 Viandanze
2010 Fragments Found
2011 Fragments Found+Viandanze(日本限定再発)
2012 Autumn Stories
2013 Now
official: http://www.fabriziopaterlini.com/