ポスト・クラシカルの元祖ヨハン・ヨハンソンのニュー・アルバムは
煌びやかな美をたたえる荘厳のサウンドトラック
アメリカの映画監督Josh C. Wallerによるクライム・ミステリー作品『McCanick』(2014年公開)のスコアとして製作されたサウンドトラック。2013年リリースのサウンドトラック『Free the Mind』と同様に、ハンガリーの作曲家Peter Pejtsik指揮による大編成のオーケストラに、ヨハンソン自身が演奏するピアノ、ギター、エレクトロニクス、そしてアイスランド人アーティストÓlafur Björn Ólafssonによるパーカッションという編成によって、ハンガリーのブダペストでレコーディングされました。
『McCanick』は2013年のトロント国際映画祭の「コンテンポラリー・ワールド・シネマ」部門に選ばれた、デヴィッド・モース主演のクライム・ミステリー映画で、先日亡くなったコリー・モンティス(『Glee』)にとって遺作でもあります。
エレクトロニカ要素は比較的抑えめで、ピアノとストリングスを中心とした作品ですが、重厚さと静謐さの調和のなかにノスタルジーとメランコリーを結びつけるヨハン・ヨハンソンのスコアはまさに職人芸と言えるでしょう。
Tracks
01. Morning Workout
02. Quinn
03. Payphone
04. Chase – Subway
05. By the River
06. Chase – Apartment to Subway
07. Exit
08. Hospital
09. Staircase
10. This is Eugene McCanick
11. Stakeout
12. Car Chase
13. It’s Not Your Fault
14. Simon’s Theme
15. McCanick
Jóhann Jóhannsson
ヨハン・ヨハンソン
1969年生まれのアイスランド人作曲家/プロデューサー。90年代の終わりより様々な映画や演劇などの音楽を手がけるアイスランドでもっとも 影響力のある作曲家。2002年にUKのTouchからリリースしたデビュー作『Englabörn』と2004年の『Virðulegu Forsetar』におけるクラシック音楽やミニマリズムとエレクトロニカとを組み合わせたサウンドは、マックス・リヒターらとともにポスト・クラシカル のオリジネイターとして目されている。その後、4ADやFat Cat、Typeなど世界の著名なレーベルから作品をリリース。さらにレイキャヴィックのエレクトロニカ・バンドApparat Organ Quartetの創設者でもあり、また伝説のレーベルKitchen Motorsの共同創設者としても知られるようにアイスランドのミュージック・シーンになくてはならない存在である。