イタリアのメランコリック・ピアニストが表現する「ピアノの美学」。
豊かな想像性によって深いインスピレーションを与える美しきソロ・ピアノ作品。

ダスティン・オハロランとマックス・リヒターを合わせたような作風で徐々に名を挙げているイタリアはマントヴァのピアニスト/作曲家ファブリツィオ・パテルリーニ。ロンドンのエレクトロニック・アーティスト、ロンドンDCとのコラボレーションによって作り上げた2013年リリースの前作『Now』において、あえてエレクトロニクスとポスト・クラシカルを融合させ、作曲家としての新たな方向性を示しました。そんな『Now』から1年足らずでリリースされる新作ではまたソロ・ピアノへと回帰しています。

パテルリーニが最も愛を注ぐピアノという楽器に対する尊敬をタイトルに込めた『The Art of The Piano』は8曲のソロ・ピアノ作品が収録されています。『Now』と同時期に作曲が進められ、パテルリーニの音楽のキーワードとも言うべき「Melancholy(メランコリー)」という単語から思い浮かべるイメージをFacebook上で問いかけ、友人たちのフィードバックを元に彼がすぐさま作った渾身の楽曲が本作収録の「If Melancholy Were Music(もしメランコリーが音楽だったなら)」でした。その後も彼は同様にソロ・ピアノ曲を作ってはSoundCloud上にフリーでリリースし、25万回の再生と5000回のダウンロードが行われました。それら7曲の楽曲に未発表曲「Wind Song」を加えたかたちでリリースされるのが、この憂愁と悲哀をたたえる美しきピアノ・コレクション。間違いなくパテルリーニにとって最高傑作と言えるでしょう。

Track list
1. Somehow Familiar
2. Midsummer Tiny Song
3. My Piano, the Clouds
4. Empty Room
5. Conversation with Myself
6. Broken
7. If Melancholy Were Music
8. Wind Song